楽市楽座主宰の長山現氏は大学時代の先輩で当時からテント芝居を一貫して続けているツワモノ。もう25年来のつきあいになるが、彼の才能には既に学生時代の頃から唸らされていた。
以後、断続的に彼の芝居を見せていただいていたが、近年、彼の芝居の充実ぶりには目を見張るものがあり、わあこれはこれからは見逃せないぞ〜とココロがまえていたら、なんとチラシ絵の依頼が僕に。僕としては、ちょうど絵が変わり始めた矢先で、特に暗い背景の「夢」のような絵を描きたい盛りだったので、願ってもないオーダーにパクリと食いつかせてもらった。
久し振りに長山さんと会って話してみると、お互い潜り抜けてきた25年のトンネルがいまひとつの踊り場に繋がって出遭っているという雰囲気で、長山さんから溢れてくる夢の汁はそのまま僕の画布にもうすぐに絵を滴らせるのだった。
長山さんご自身とその夫人でもある女優=佐野キリコさんに贅沢にもモデルをお願いし、取材して描いたのだが、怖いんだか可笑しいんだかわからないちゅうぶらりんの不思議な絵となり、それはまさしく楽市楽座の世界なのだった。
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