最初のプラン
当初、その地底の巨大な地下水槽の守護神として、その場所を支える柱のどれかに直に「龍」を描くことを考えていた。僕が下絵を描き、それをもとにタイルモザイクか、あるいはペンキで描くか、もっとよい方法はないのか、…と。
山名さんとイメージを交換していく中で、その場所にパーマネントな絵を残すことから、次第に、完成式典の当日にライヴで「龍」を描くというプランの方へ気持ちが動いて行った。「モノ」としての絵よりも、「エネルギー」としての絵。
「龍」がいない空間から始まって、数時間の後には「龍」が存在する場所となっている、その時間経過そのものを、みんなでその場で体験する。そんな計画へココロが動いて行くとともに、最初に僕に浮かんだこのスケッチのような柱巻きの龍はいったんフェイドアウトし、どんな龍を描くのか考えるのではなく、全てを6月8日の当日の数時間に委ね、その時、その瞬間にそこにいるみんなの中へ舞い降りてくる「龍」を迎える、その準備をはじめることにした。
|