降り立つと暗闇の中に屹立する緩衝用の支柱、眠れる神殿のようだ。息が白い。ラッパを取り出して吹いてみる。すぐにエコーが返ってくるかと思いきや、数秒間の沈黙。闇に吸い込まれてしまった!と思った途端、20m高の天井にバウンドし、さらに200m先の壁に衝突したひと吹きは、幾重にも重なった音の残像になって、四方八方から波のように戻ってきた。凄い!気持ちいいぜ・・・・でもこの環境で「音楽」を創り出すにはどうしたものかな? 連続したビートを刻むのは不可能と見た。
そんな感じで、僕は寺門くんの描く「地底の龍」との交信について思案を巡らせ始めた。即興なんだから考えすぎてもしょうがないけど、8つのスピーカーからそれぞれ別の音を出したらどうなるかなとか、クレーン車に乗って上から吹いてやれとか、しょうもないことを考えたりしている。まずは心技体の充実からですね。
寺門くん、巨大な龍をライブで制限時間内に描き上げるのは大変そうだけど、きっと素晴らしいものができるでしょう。とても楽しみにしています。貴重な機会をありがとう! まずはやはり心技体の充実からですよね。くれぐれも腰をお大事に。そういえば、現地で記念に撮った写真には、僕の体からオレンジ色の龍型のものが…。
|