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2009年03月23日

▼ いきてないのに生きている ▼

おたのしみ会以来あれやこれや、あり過ぎて、書きたいことばかりなのですが、今日は大急ぎの件のみ。
犬のぬいぐるみ作家 DOG★GOD の展覧会「いきてないのに生きている」、荻窪で明日まで開催中。必見わんこ!
http://www24.big.or.jp/~ruca/
http://doggod.exblog.jp/

画室のサブとペルノ木彫りの小わんこDM
あれは5年くらい前だったろうか・・・縁あって、DOG★GODさんに僕の幼児期の友だった亡き犬=サブをイメージしてぬいぐるみを作っていただいた。その犬が届いたとき、なにか大切なことが僕に起って、ひとしきり温水が溢れた。不本意な別れをした犬への謝罪と、犬との和解のような、いやもっとちがうような・・・
おまけでついてきた白い犬にはペルノと名付け、2体は今も画室に棲んでいる。

DOG★GODさんの作る犬は、不思議な犬・・・としか言いようが無い。
タイトルそのまま、いきてないのに生きている。

展覧会に伺うのは初めてだった。すばらしい! ますます不思議さと、美しさを増したドリーム・ドッグ! 中にはまさしく死んでいるのか? 眠っているのか? 半眼で横たわる犬もいた。何を夢見ているのか・・・すごく気になる犬だ。連れて帰りたかったが、飼い主がもう決まっていました。

会場の6次元・・・僕の好きなものだけで出来上がったような最強の夢時空間。
毎日通いたい・・・たとえ 犬がいなくとも。

http://www.6jigen.com/index.html

写真は、サブとペルノ。今日ついてきてしまった木彫り小わんこ。DM。
展覧会明日まで!

2009年03月19日

▼ 3/17~19 沖縄 カフェ・ユニゾン 虹 ▼

虹1虹2
おたのしみ会の翌々早朝出発して2泊で沖縄へ。
旧友=三枝克之氏との再会が主な目的。僕の初作品集「かごめドリーム ツル/カメ」や画期的な天使画集「天使のカレンダー」を一緒に作ってくれた作本家。今は沖縄に引っ越して5年、カフェ・ユニゾンというカフェを経営したり、オフィス・ユニゾンをホームベースに執筆・プロデュースなど様々な活動を展開中。
http://www.cafe-unizon.jp/
http://www.cafe-unizon.jp/mieda/index.html

で、前々から行きたかった噂のカフェ・ユニゾン・・・それはそれは素敵な、懐かしい夢のような、現実からすぽっと抜けたエアポケットのような、どこか三枝さんご自身の気配にも似た、魔性のここちよさの場所でした。そう遠くはない未来、このカフェで展覧会をしたいなぁと、あれやこれや相談を始めています。夜には三枝邸お庭にて野外バーベキウ。オオコウモリも飛来するという木木に囲まれた、そして海の夜景も見える丘の上。残念ながらオオコウモリは見られませんでしたが、お隣から内田勘太郎さんが飛来して、なんとも愉快な夜が更け・・・

翌日は三枝さんたちに教わったとっておきビーチへ行きましたが、帰り道、凄い虹に2度も遭遇。2回とも、左右の虹のつけねまではっきり見え、度肝を抜かれました。思い出すだけでもドキドキします。

翌日は那覇の市場などをうろちょろして、瞬く間にロキへ戻りました。
とっても短い滞在でしたが、濃い夢に浸かったような心地よさにうっとり、力が湧きました。沖縄展の実現が大きな夢となりました。ようし!
スケッチ1スケッチ2

2009年03月15日

▼ 3・15 祝! おたのしみ会 盛会! ▼

速い速い・・・おたのしみ会の日から速10日! 憶えているうちに少しでも走り書きを・・・

当日は100人を超える方々が御参集くださり、会場にはおたのしみ会神が膨張し、充満、直前のリハの時の小緊張は、皆さんに対面したとたんに吹き飛んでしまい、あっという間の愉しさでした。
来てくださった皆様に遅まきながら御礼申し上げます。終了後ご挨拶もできずに別れてしまった方がほとんどで、失礼いたしました。

第一幕の朗読会は、gatta neraさんのおかげで大満足の一発! gatta neraさんのハープと歌声の揺り籠に揺られ、僕はここぞという時にばぶばぶ言えばいいだけだったので、すっごく楽チン。DVDで出したらなんていう話も持ち上がり、この出し物はもう少しやってみたい!

第二幕では、すっかり愉しくなって公開トークというよりは小野さん、筒井さんの乳母車に乗せられて、ひっきりなしにばぶばぶばぶばぶ言うてしまいました、すみません。

僕自身にとってサプライズだったのは、小野さんが第6回日本グラフィック展のパンフレットを持参くださっていたこと。僕が大賞をいただき、フリーランスで絵の仕事をしていくきっかけになった公募展ですが、受賞当時の僕は僕自身について明確な自信が持てず、掲載されたインタビューもおたおたしていてがっかり、以後ほとんど封印、頁を開くこともなかったのです。小野さんはグラフィック展以降、ほとんど全ての時期の僕の仕事・展覧会を見続け、そのうえで今回「ぼくらのオペラ」で御一緒くださったのだが、その小野さんから「このインタビュー良かったよね! 何言ってるのかわかんなくて」と言っていただいたのがいちばん嬉しかったです。「最初に見たこの絵の印象は、その後一貫して存在している、それぞれの時期のそれぞれの手法をとっても、その印象は変わることなく、それは今回の絵本につらなっている」と言ってもらったことで、凄く、1985年あの時のおたおたした僕は安らぎ、力を得たことだろう。あれから2回り=24年。僕は倍の48歳。第三幕のサイン会のラストに、小野さんのそのパンフレットに署名をさせていただきました。「時」・・・「縁」・・・
グラフィック展パンフレットにサイン

客席には「桃太郎」、「納豆の大ドンブリ」それぞれの編集者も来て下さっていたのも嬉しいことでした。絵本について何も知らない僕は、1冊ごとに文字通り格闘しながら、作ったのでした。

それから、旧友や新友・・・ 子供を連れて来てくれた方も多く、なかにはその子供がわざわざ絵を描いてきて僕にプレゼントしてくれたり、それも最高に嬉しかったです。嬉しいなぁ。

終了後は、小野さん、筒井さんを中心にイキのいい絵本関連の方々に囲まれてあれやこれやわいわいと・・・。そのときの会話の中でのように、これからなにをしようか、なにを作ろうか・・・と夢想しているときがいちばん愉しく、実際にプロセスに入るとどっちかっていうと苦しいことが多くもなる。たいていのことは夢想しているよりも、実現したものは小さくなるものだが、実現したものの方が大きく豊かにならないんだったら作る価値なんてない。この愉しい愉しいおたのしみ会から、さて次にはどんな実が飛び出して来ることになるのか? それこそ 僕自身のおたのしみ・・・

2009年03月14日

▼ いよいよ明日 おたのしみ会 ▼

おたのしみ会第一幕おたのしみ会第二幕
大学業務やお絵描きに追われているうちに、日日がめくれめくれ、
いよいよ明日に迫りました おたのしみ会。
「ぼくらのオペラ~進行形」

かなりたくさんの方に御予約いただいている様子、嬉しいです。

はりきって、最後の準備を進めています。

明日15時、青山ブックセンターでお会いしましょう!!!

http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200903/2009315.html

2009年03月08日

▼ 3月8日のこと・・・ ▼

ツツイ氏とてらぴかgatta neraさんとてらぴか
8日は開店早々の青山ブックセンターへ。もちろん、15日のおたのしみ会の会場下見のため。主なるミッションは、一つ=僕のパソコンからの画像投影チェーック、二つ=gatta neraさんのハープと声と音響機器の接続チェーック。どちらもばっちりと決まり、当日の機器配置などや、場当たり、会場スタッフの方との手順段取りなども詰めて、いやましに本番への期待盛り上がる。写真は当日出演される編集担当=筒井氏、獣系妖精=gatta nera嬢と。当日はここに畏兄=小野明氏も加わってくださいます。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200903/2009315.html

2009年03月05日

▼ 3月5日のこと・・・ ▼

kinder playkinder play stage
3月5日、子供の学校でおたのしみ会があると聞いたので行って見る。
ひさしぶりに日の光が明るい雨上がり。
教室の机は、ちゃんと運び出され、ただ水色のカーテンと、ベニヤ板、段ボールなどでしつらえた質素な舞台には、ちゃんと「おたのしみ会神」が降臨し、ただならぬおたのしみ光に満ちていた。絵本「嵐の夜に」から子供たちが自分たちで翻案した劇を観た。これこそ「ぼくらのオペラ」!

夜に、青山ブックセンター本店のギャラリースペースに、「ぼくらのオペラ」原画モドキを展示しに。編集筒井さんとコツコツ作業。
先のピンポイントギャラリーで展示したものに、さらに追加して、というか倍以上の数になっています。絵本ができているのに、どうして原画をつくらなくちゃならないの?と思いつつ、こつこつこの日に向けて作業を積みました。

と、言うのは、実は「ぼくらのオペラ」はいくつもの種類の原画をパソコンでデジタル合成して絵を作ったので、絵本の絵そのものの原画が無いのです。ピンポイントギャラリーでの展覧会のために、絵本が出来てから、その見開きをイメージして原画のカケラを今度はコンピューターの外で、手作業で繋ぎ合わせて再構成して「原画モドキ」を作りました。これはこの展示でしか見られませんのでぜひ覗いてみてください!絵本と見比べていただくと、あれやこれや違いがあって面白いですよ。
19日まで展示中。
これらを作ったおかげで、本当の原画そのものは切り刻まれてなくなっちゃいました。

写真は「おたのしみ会神」が降臨していた子供たちの舞台。
と、切り刻まれた「ぼくらのオペラ」元原画素材の一部。
ぼくらのオペラ切り刻まれた原画
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200903/2009315.html

2009年03月03日

▼ 3月3日のこと・・・ ▼

僕にとって人生でいちばん愉しいことは何か? それは「おたのしみ会」ではないかと思う。もっと正確に言うならば、「おたのしみ会の準備」が愉しいベスト。小学生の頃、おたのしみ会が好きだった。机を片隅へ押しやるか、廊下へ出してしまって、なじみのありふれた教室になにか愉しげな気配が降りて来る。日常から非=日常へ、あっけなくもダイナミックな転換。コントや歌や、ダンスや手品や、ゲーム・・・そして人形劇、楽器演奏などなどなど・・・。
まだ小学校1年生だった頃だと思うが、一度だけ、自宅で盛大なおたのしみ会を催したことがあった。3月3日のひなまつり会・・・。言うまでも無く僕は男で、家ではひなまつりを祝ってもらったことはなく、ひな人形もなかった。端午の節句の祝いに小さな兜のツクリモノがあったが、全くそそられなかった。何段もある赤いひな壇にずらりと勢揃いする雛人形が欲しかった。憧れてならなかった。それで僕は、ひなまつり会を企画し、丘の上にすむ仲良しの女の子と毎日放課後に家でひな人形作りに励みだしたのだった。色紙や画用紙、段ボールなどを切ったり折ったり貼ったりしてかなり大掛かりに。それを床の間に飾ってもらって、3月3日当日には、どうしてそんなことになったのか記憶がないのだが、何十人というクラス内外の子供達(自分も子供だったのだが)が家に集結して、床の間の前で出し物を繰り広げた合った。僕はゴーフルの缶をたたいてドラマーになり、友達とブルーコメッツのまねをしたと思う。そんな会をしたのはそれっきりなかったが、後年、展覧会の折などにあまり展覧会自体とは関係ないような出し物を企画しようとする根っこは、この3月3日のひなまつり会ではないかと思う。
日常の中で、虎視眈々と非=日常の準備をして、当日「おたのしみ会神」を降ろし、迎える・・・そんなことがベストに愉しい、今でも僕は。

ひさしぶりのおたのしみ会を 3月15日15時から開催します。場所は青山ブックセンター本店内、カルチャーサロン。どうぞ御参集ください!
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200903/2009315.html
おたのしみ会ポスター

2009年03月02日

▼ 「100人のマザーグース展」Pinpoint Gallery参加 ▼

GeorgiePorgie画
今日から、「猫とねずみとぼくらのオペラ」展でお世話になったばかりの南青山=Pinpoint Galleryにて企画展「100人のマザーグース展」に参加させていただいています。
TOTOのアルバムに「ジョージィ・ポージィ」という曲があり、当時撮っていた8mm映画の主人公の一人の名前にいただきました。
ジョージィ・ポ-ジィ、プリンにパイ、女の子ならキスしてポイ、
と訳詞に載っていた記憶があります。
原詩を今読むと、かなりエロティックなナイヨウナヨウナ気がしたので、そんな風に描いてみました。主人公ジョージィ・ポージィは去った後ですが・・・

3月14日土曜日まで。11:00~19:00
土曜日は17:00まで。
日曜日はお休みです 御注意あそばせ。

http://www.pinpointgallery.com/japaneseindex.html

→スケジュール→2009年3月→「100人のマザーグース展」

3月6日からは 近くの青山ブックセンター本店で「ぼくらのオペラ」関連画の展示をしています。あわせてお立ち寄りください。
そして、
3・15 15:00~の寺門孝之おたのしみ会!
只今絶賛(笑)予約受付中です、まだ残席ございます。よろしくお願いいたします!
詳細は以下、青山ブックセンターホームパージにてご確認下さい。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200903/2009315.html

近くの寺門孝之ミュージァムも、15日から若干 架け替えをして皆様のお越しをお待ち申し上げます。あわせてどうぞお立ち寄りください!

「ぼくらのオペラ」書評が読売新聞に載ったらしいです、が、どうもうちの読売新聞には載っていなくて・・・夕刊だったのかなぁ?

2009年03月01日

▼ Project Nyx~宇野亜喜良さん「星の王子さま」 ▼

postar
22~28才までの住処だった町=阿佐ヶ谷へ久方振りに。宇野亜喜良さんが構成・美術を担当された「星の王子さま」を観に、ザムザ阿佐ヶ谷へ。チケット買いそびれていたので当日券ゲットのため正午前から並ぶ。桟敷の見切れ席ということでなんとチケットが半額だった。が、たしかに舞台上半分が見えなかった、あはは。しかし、せまい地下室の急階段状の座席に思い切り詰め込まれると、空気が不足し、もしも面白くなかったら気分が悪くなるだろう・・・と不安になったが、それは間も無く杞憂となる。宇野さんの絵からそのままこの場所へ滲み出したかのような衣装・メイクの登場人物が次々と現れて繰り広げられる世界は、どこか押し付けがましくなく、透明感があって朗らかだ。冒頭からラストまで、狂言回しをしてくれるヒツジ役=蘭妖子があの声で寺山テキストをささやくと時空が回転し始める。中盤、渚ようこ★フラワー・メグ★中山ラビ★野口和美★涌井歌織★の5星の揃い踏み、実人生を歌い上げる口上にぐっと来る。虚実が何重にも入れ子になって、観ている僕の視線が自分へとも向かう。中でも中山ラビのたたずまいに惚れる。終盤にきて、蘭妖子ヒツジが1968年初演の寺山演出ではここで屋台崩しとなって芝居を終えたことを告げる。もし寺山さんが生きていたら今、この芝居をどのように終えるだろう?「てらやまさ~ん、てらやまさ~ん」と呼ぶ蘭さんの声に僕の奥底から温水が湧き出る。「よんでも てらやまさんはこたえてはくれません。そこでわたしたちは、このあとにサンテグジュベリが描いたあの有名なシーンをもって、この芝居の最後とすることにしました」と告げ、星の王子さまと毒ヘビのシーンを精密な人形劇で演じてみせた。「現実と虚構の二重性はもはや現代人の習性となった」と宇野さんがパンフレットに書かれている。だからこそ、今、堅固な虚構を明確に形あるものとして示すことに賭けよう、と、かつて寺山修司とともにこの作品を世界に問うた宇野さんは静かに宣言されているように感じました。そして僕も、そうだ! そうだ!と賛同するのでした。
帰り際、宇野さんにお会いでき、また中山ラビさんに握手していただき、まだ明るいのが不思議な阿佐ヶ谷の町を久し振りに宛てなくさまよって、案の定迷路にはまりこみ、夜が・・・

帰って、amazonで中山ラビCDを速注文。