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2008年03月08日

▼ 今日少年は金魚姫を知る ▼

昨日の夕刻、お互い多忙の隙間を擦り合わせ十三・白ばらで長山現&佐野キリコ両氏と次回金蛇について撃ち合わせ。以後の僕はずっと来るべき金蛇画と交信中・・・
ノートのスケッチ
本日、大学業務を終えて神戸市営地下鉄学園都市駅からの座席で(掲示写真の如く)ノートに自分だけに判読できるようなイメージスケッチをつづけていた。隣に小学校低学年と思われる少年が坐り、僕のノートを食い入るように見詰めている。彼の目はもうノートにくっつきそうに接近。前に立っている母親がそんなに見たらあかんよと小声でたしなめる。ちょっと顔がノートから離れるがすぐにまた、磁石に惹き寄せられる鉄釘のように少年の視線はノートにくっついてくる。僕は少年を一度も振り向かずただただくにゃくにゃの線をノートに書き加えつづけながら、彼の好奇心の煌きの強さを観察していた。少年を見ずに僕は声をかける

おもしろい?
うん、おもしろい
なにかいてるかわかれへんやろ?
うん わからん
あんな、おしばいのチラシをつくらなあかんねやんか、どんなんにしよかな~て考えてるん 
と言って僕は初めて彼を見る。黒々とした眉の下、大きな黒目がきらきらと輝いている。僕はかばんからちょうど持っていた楽市楽座のチラシから去年のものを選び、少年に渡す

金魚姫とか蛇ダンディーとか、ほかにもほらこんなん出てくるねん いろんな生き物が出てきて 歌ったり踊ったりするお芝居やねん ダンゴムシの歌とか歌うんやで
あっこれカマキリ? わ、がいこつもおる
(お母さんも加わる)ピエロさんみたいやなあ
ピエロも出て来ます、これは去年のチラシでもう終わってるんですけど、大阪の公園とかに年1回まあるいテントの劇場をたててするんです
(お母さん)サーカスみたいやねえ
そうそう、サーカスみたいなんです(少年に)子供もたくさん見にくるんやで、小学校1年生の女の子も出演してるねん
(少年 僕のノートのスケッチの上の方に描いた線を指して)これ天使?
をを、そうや天使みたいなんも出て来るよ
それが 小学校1年生の子なんやろ?
そうや! よくわかんなぁ(見所のある少年である)
この赤いのが金魚姫やろ?
そのとうりや
青いのが蛇や
そや そのとうり
(母)うさぎさんもおるな
これうさぎかな しか にも見えるで ならのしか
なんでもよう知ってるなあ しかはならにおるなあ
こないだいって会ってきたもん
紙たべよとするやろ
(母)かまれたなぁ
うん、かまれた・・・しかせんべいはな 40センチ高く持ったら しか、おじぎするから そしたらあげたらいいねん
へえ~ それはしらんかった
しかせんべい買うとき おばちゃん おしえてくれた
おじぎしたか?
するで 大仏さんの鼻もくぐったで
をを~ よかったな 通ったか? ぎりぎりやったやろ
うん
よかったないまのうちに通っといて
そやな 3年生になったら 途中で出てこれんくなるかも
(チラシに戻り 裏も見る)わ、時計や あ、これピエロや 
もうこれは終わったんやて(と、母、あまりに興味を持つ少年ががっかりしないようにと気遣うやさしさ。そうだと思いつき 4月のライブのチラシを母子それぞれに渡す)
4月に音楽会あるんです 10月には大阪城の公園で今年もあるんです
(少年 ライブのチラシの写真を見て)あ、この青いんが蛇ダンディーやろ? 赤が金魚姫や
そのとおり
これがピエロで・・・うさぎもおって、エビってどれかなあ・・・(もう夢中で2枚のチラシを交互に見て符合させていってる)

やがて電車は三宮駅に入り、親子は降りて行った。今日、少年は金魚姫や蛇ダンディーのことを知った。きっと今頃、夢で少年はその世界にいるはず。

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