Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20051201

 
 あららららら! 師走になってもうて、私もトドロキ界隈をぜいぜい走り回っております…

 前回の下の記事からあっという間の10日がめくれちぎれていってしまい今日は2∞5年12月1日、木曜、東京はこのところずっと晴れ。

 毎日濃いコトが複数ずつあってそのたびにここ=ツデイズに書こう書こうと脳内に文章をしたためるのですが少しすると次の事件にまきこまれ、次次と脳内の記事がちぎれめくれていってしまう〜

 神戸滞在時には宿宅へ戻るとひとりきりで、パソコンに向かい一日を振り返る余裕もあるが東京ではどうも最後に時間が余っていなくって、その割には風呂桶の中あるいは布団の中で連夜読書三昧。一日を振り返るのを忘れてつい本の次の頁をめくってしまう。

 で、12月になってしまったのでココロを改めてしばらく、本を読むかわりにこれまで書きたかったコトゴトを我用防備録として放出しておこうと決めたり。ずいぶん時を溯ることにもなりますが・・・

 *時を溯るといえば・・・昨夜読了した佐藤正午著『Y』(ハルキ文庫)が物凄く面白かった。文字通り時を溯る人の物語なのだ。荒唐無稽なはずの物語が、奇妙にリアルな肌合いで語られる。

 時は常にこのポイントからYの字のように二又に分岐して進んでいく。自分が選んでしまった時とは別に、選ばなかった方の時も同時に進んでいく・・・というようなことは私もよく妄想するのだが、それをとっても上手に書いている。

 そして今の自分が属する時の流れの中での登場人物との関係は、すこしずつ形を変えてはいるがやはりパラレルな別の時の流れにおいても結ばれていることを丁寧に描き出す。

 この作品の主眼は時空を超える 「縁」を描き出すことだろう。つまり、わたしは「Y」のどちらの道を選んでもあなたと出会う、ということだ。

 「縁」といえば・・・この『Y』の著者である佐藤正午氏の著書の装画に私の絵を使っていただいたことがある。『スペインの雨』という短編集の光文社文庫で2001年のこと。「紅い脚」という絵を川上成夫氏の装幀で。

 完成した本をいただいて読みかけたのだがなぜかその時には文章がこちらへうまく流れ込んで来なくて・・・

 今年東京へ移転するやいなやLAPNET SHIPで開催された「TERAKADO☆玉手箱」展に久し振りにこの「紅い脚」を展示し、参考資料として置いておいた『スペインの雨』を会場で読み始めてみると、なんともすばらしく面白く、不思議な情感の香るやや奇妙な語り口、微妙にくいちがっていくような台詞、タランティーノの映画のようにデザインされる時制など実に私好みのストレンジさで、急に大スキになってしまった。

 以後、佐藤正午作品文庫本を次次と買い漁り、読みつづけている。最近ではこの『Y』と、『取り扱い注意』というこれまた奇妙な犯罪小説(?)がお気に入り。オススメです。

 う〜書こうと思ったコトと違う内容になってしもうた。明日から、さらに時を溯ったりして、この2週間くらいの全項目を書き上げるツモリ・・・

 あ、セレンディップでの展示もあと数日。最終日=12・6には会場へもいちど駆けつけるツモリ・・・です

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