2∞5年9月27日、火曜、薄晴れ、かなり涼しくなった。
天使の庭、最終日。さいごまでたくさんの方が来てくださった。終了まぎわに、すっと若い衆が集まってくれ、片付けはスムーズにあっというまに終了。絵たちを2台のカートに積み、百貨店の裏側の迷路のような搬出入経路をなんだかわくわくしながら通って外へ。
待っていてくれた赤帽さんに絵を積み替える、と、暮れてきた天から雨が!雨男の私には珍しく会期中好天に恵まれてきたが、天使の庭終了とともに降る雨になんだかほっとする。またたく間に絵の蔵であるアパートに到着、部屋に絵たちを運び終えて、fine。
天使の庭・・・私にとって想い深い展覧会となりました。なにより、新しい東京のアトリエで描いた天使たちが、これまで絵を見つづけてくれていた方々、新しく今回初めて見てくださった方々のココロに届いたようだったことが嬉しかったです。
以前は、神戸・北野のアトリエではないと絵が描けないと、すっかり場所に依存していたのですが、ようやく、場所を問わずに、絵を描けるようになった証しの気がして。百貨店の中での展示だったが、かつてのホームベース=J&F Cafeや原宿同潤会アパートにあった頃のPIGA画廊での初期の天使展を初めて思い出した。
北野坂のアトリエも、J&F Cafeも同潤会のPIGAも既に無い。いまは亡き豊竹呂太夫さんが、「芸」とは「今ここに異界を呼び込む力」と教えてくださったが、神戸から離れたことが却って、亡くしたモノモノを通して「絵」を呼び込む力を強化してくれたかもしれない。
中上健次が数数の物凄い物語を産み出した「路地」を失って以後、『日輪の翼』などで物語を場所から解き放ち、物語を流浪させ、飛び散らせていったように、私も場所にとらわれず、どんなところでも「今ここに異界を呼び込める」ように、そんな絵を描けるように、さらにさらに芸を磨いて精進して行きたいと強く思った次第です。
ご来場いただいた皆様、会場でお世話いただいた皆様、手伝ってくださった諸君に感謝しています。
さて、次は、大阪でお目にかかりましょう〜
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