2∞∞∞4年9月5日、日曜。くもりときどきはれ。
明日からのラストラストスパートに向けてパワーチャージしようと、家族で朝から丹波篠山へ出かけてみることに。初めて行く場所。僕の目当ては、地図で気になる3つの神社。
〔一〕波々伯部神社。ハハキベジンジャと読むことが現地でわかる。古代から豪族ハハキベ氏一族が統治する自治集落がここにあったとされる。祇園社と古くから呼ばれ祭神は牛頭天王(のちに=スサノオノミコトとされる)、渡来神とのこと。
蘇民将来の御札「笹守り」(おひねり)が社務所にあった。社務所は閉じていたがひとの気配があったので、声をかけおそらく宮司さんであろう方からお話しを少し伺う。
興味を覚えたのはここに「でこのぼう」という操り人形の芸能が今に伝わっていることで、先の8月2日に見られたそうだ。うう見たかった。文化庁の調査が入ったらしい。4年に一度だそうなので、次は北京オリンピックの年か。人形浄瑠璃のように洗練される前のすごく素朴な人形で写真を見る限りとてもそそられる。
僕は小学生のときにクラス有志と人形劇団を率いていたり、人形・人形芝居にはことのほか「ち」がさわぐのだ。淡路の次にこの神社へ来たのにも浅からぬ縁を感じた。
〔二〕櫛石窓神社。クシイワマドジンジャと読むことが現地でわかる。拝殿背後に宮山と呼ばれる神域があって禁足地になっている。由来書によればそこに巨岩が3つあり古代からの祭祀場だそうだ。イワクラ。その三つの岩が祭神となり櫛石窓命、豊石窓命、大宮比賣命とされているとのこと。
たしかに拝殿の向こうに高くはないが鬱蒼と木々の茂る丘が見え、あたりが雨に濡れた後でもあって瑞瑞しく神聖な気配。ただ祇園社とちがって戸は固く閉ざされていて厳しい感じがする。このあたりは大芋荘と呼ばれていたらしく、「芋」の音にも反応する僕としてはやはりナニカを感じる場所だった。
〔三〕九頭女神社。クズメジンジャと読むことが現地でわかる。田畑の畦道を延々迷いながら歩いておばあさんに訊ねたりしながらたどりつく。
由来書もなく、しんと静まり、人の気配もなかったが、帰りがけに軽トラックでやってきたおじさんに声をかけられる。この神社の方だそうで少しお話しを伺えた。
もともとこの場所にこの名の神社があったわけではなく、明治以降の神社だそうだが、この辺りのいくつかの信仰を集めてひとつにされたものだそうだ。ただどうして「女」の字があてられたか、よくはわからないがやはり女神が集められたと考えられ、男の参拝者は好かれるが、女性はあまり好かれないといわれるなど興味深いお話しを伺えた。
僕が去るとおじさんもまた軽トラックで行ってしまわれたところをみるともしかすると道を訊ねたおばあさんからの連絡でわざわざ来てくださったのかもしれない。
なぜ9つの頭の女なのか、あるいは「クズ」の音に意味があるのか?神社を巡る趣味が僕にあるが、信仰というよりは、ひとつの神社をたずねたときに起こるコト、感じるコトが僕の「ち」の流れ、自分(おのずとわかれてきたるもの)の源流を感じ取る試験紙のような役割をしてくれる気がしてついつい新しい場所へ行く時には、地図で直感的に気になる名の神社をピックアップして出来れば立ち寄りたい。
系図とかではなく、全く個人的な「ち」の来歴を直感だけでさぐっていくのには場所場所に立つ自分を感じていくより仕方ないのだが、つづけていくと、なかなか精度もあがり、ぴたりぴたりと自分の興味に当たっていくからやめられない。
その他、短いけれど色色たのしい旅だった。
神戸へ戻り、2度、ひさしぶりに強めの地震を感じた。ううむ。
さ、明日からラストラストスパートだ。
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