2∞4年2月12日、木曜、晴れ。
日差しが日毎に頼もしくなる。「光の春」とこの時期を呼ぶらしい。光りが先に春めき遅れて空気が温もってくる、ということか。既に今日は温もってきている。
昨日は一日費やして国立民族学博物館(みんぱく)の展示を丹念に見て回った。目当ては特別展「アイヌからのメッセージ〜ものづくりと心〜」。現在の工芸家・芸術家の活動を作品と資料や映像で伝えるヴィヴィッドな展示でとてもよかった。
CDを繰り返し聴いているトンコリ奏者のOKIさんの映像もあり、その中で、博物館で過去の音楽の再現として資料的に扱われるのではなく、今現在の音楽としてトンコリを奏でられるのでなくては、という意味のことを語っていた。ぜひ生でOKIのバンドを聴いてみたいと思う。
ショップで萱野茂著「アイヌの昔話」と同著者の絵本「熊神とカパラペポンス」を購入。
みんぱくへ来るのは20年ぶりくらいになってしまった。どうしてもっと来なかったんだろうと悔やまれるくらい愉しく見て回った。地球上の様様な地域の様様な民族の様様な「ブツ」が並列されていて、それを巡っていくと、リトマス試験紙のように僕の血というか魂が反応したりしなかったりするのがおもしろい。
昨日特に反応したのはテーマ展示「極北のイヌイット・アート」。これは去年ずっと「ノーザンテイルズ」という北方で生活する民族の民話・伝説を集めた本を読みつづけていたので、その世界が少し染みてきていたからかもしれない。
民話とか伝説とか神話とかの物語は読んだ時の印象や感想以上に僕の無意識を耕したり変えたりする力が確かにあるような気がする。今はアイヌの物語をこつこつ読んでいるのでそのうちもっと感じることができるようになると嬉しいと思う。
長山現氏のおすすめ本「ミュータントメッセージ」でアボリジニの世界を読んだのでアボリジニの展示「ブツ」にも懐かしさを感じた。その他ではイスラム圏のものにけっこう感じるものがあった。アラベスクの模様が凄く来た。
そうしてやはり日本の「ブツ」は質・量ともに充実していて、感じた。祭りの「ブツ」群や「ヒトガタ」達にびゅんびゅん飛ばされた。とても一日では見切れないがそれでも僕の無意識はたっぷり養分を貰っておなかいっぱいになった。ちかぢか再訪しよう。
今日は絵を描きながら、アトリエの模様替え。大作にそなえて広く壁を開けた。明日からは新体制で大量制作に入る、いきごみ。
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