２∞３年１２月１日、月曜。

　朝は小雨、その後薄曇の生暖かい１２月のスタートでしたが今はやや冷えてきました。夕方に東の灰色雲の中に巨大なフラミンゴの形にフラミンゴ・ピンク色の部分があったり、上空の厚い灰色雲にぽこんと目の形の穴が穿たれて青空が覗いたり複雑な細工の空模様でした。

　さて、神戸展用の新作もほぼメドがつき、作品は次々と写真家のミストラル氏のもとへ。僕は展覧会に出す作品は出来る限り写真の複写を撮ってもらうことにしています。そうしておけば、いつでも本を作ったり、仕事に使ったりできるし、なにより僕自身過去の絵を忘れてしまうので記録として欲しいのです。

　展覧会の絵と並行して、いくつかの仕事の絵も随時進行中で、今日は次回・楽市楽座の公演の宣伝美術用の絵が仕上がりました。今回も満足の行く「ゑ」です。

　楽市楽座のための絵はこれで３作目ですが、毎回、かなりのハイスピードで仕上がっていきます。それはまるで既に描いた事があって知っている絵をもう一度なぞって描いているような奇妙な気分です。描くまではわからないのですが、描いてみると、ああこれかこれかって感じなんです。我ながら不思議。

　この感覚は「闇の妹」の大作を描いているときにも訪れます。どうしたわけでしょう？

　それが終わってほっとしつつ、今は新しい本の装画にとりかかりました。本のカバーのサイズに合わせて特注の木枠を作ってもらって、それに下地に膠のみ塗った麻カンバス布を張りました。

　今年の正月に「ようし今年は自分でカンバス張れるようになるぞ」と始めたこの作業、偉いもので一年ですっかり身に着きました。自分で決めたサイズの木枠に自分で張ったカンバスに自分なりの下地を作って描くのは気持ちいいです。

　さてと、展覧会１０日前。今回ＤＭの印刷枚数が少ないため、宣伝がゆきとどくかどうか心配です。どうかここにご参集の皆さん、展覧会情報、クチコミでひろめてください、お願いします！