Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20031001

 

 2∞3年1●月1日、水曜、好好天。空に舞い踊る天使の巨大な羽根、羽根、羽根。

 さて今年のGWの神戸『闇の妹』展をご覧になった方は今回の大阪展に「闇妹(ヤミイモ)」シリーズのその後の展開を期待されたかもしれません。今回ほとんど展開が無かったのでがっかりさせてしまったかもしれません。すみません。

 これには僕なりに考えがあって、今回を最後に、「闇妹」関連の闇を背景とした作品は、他の作品とは一緒に展示しないことに決めました。

 『闇の妹』展以降、どんどん僕にその「世界」が降ってきていて、ある程度明確なカタチを持った物語が生成してきています。今後はその物語に沿うように「ゑ」を一点一点仕上げていくつもりで、それらを描き終えるまでまたしばらくあの世界は外に出さないでおこうと思います。

 描き終えたら、これまでと違ったカタチのなにかおもしろい、わくわくするような工夫を凝らして展覧会をしたいと思っています。できれば、暗い、「闇」のある場所で。「闇の妹」の世界とそのまま繋がりそうな場所を辿って、ツアーできたら最高ですが。な〜んて闇夢(ヤミイメ)を抱きながら、あれやこれや動き始めました。

 で、まず「闇の妹」というコトバを検索してみたら、オヨヨ!(古いですか?)出て来てしまいました。ジェイン・ヨーレン著、井辻朱美訳「光と闇の姉妹」(ハヤカワ文庫)というファンタジー小説に「闇の妹」という存在が登場するらしいのです。原題は“SISTER LIGHT SISTER DARK”なので「光の姉」というのもいるらしい。これは読んでおかなくては、と、絶版だったのでオンラインの古書店で探してさっそくゲットしました。

 僕にとって読みやすいとはいえない文体で(正直言って苦手)、まだ余り読み進めていないのですが、確かに「闇の妹」がどんどん出てきます。

 物語りの設定としてある村(女ばかりで構成されている)の女の子は必ず対となる闇の妹がいて、儀式を通じて出会う、ことになっている。「闇の妹は呼び出されるまでは無知と孤独の中に住んでいる」なんていう文がありました。

 ううむ、最後まで読んでみないと何とも言えませんが、僕にふって訪れた「闇の妹」とイメージ、どのくらい重なるだろう。読み終えたらまた報告します。

 それとは別に、僕の「闇の妹」は「闇妹(ヤミイモ)」と略して呼ばれていて、身体から「芋」を生じます。これを言うとたんなる駄洒落=言葉遊びと捉えられてしまうのですが、実は僕なりに深いイメージ連鎖があって、東南アジアのハイヌウェレ型と呼ばれる神話での農業の開始に関わる女神に「闇の妹」はイメージが重なる部分があるように思われるのです。

 で、試しに「ヤミイモ」で検索したら、「ヤムイモ」という芋に突き当たりました。英語では「YAM-POTATO」というらしいので、「YAM-IMO」(ヤミイモ)でもおかしくない。これがタロイモと同じくらい古くから栽培されている原始農業作物で、アジア〜オセアニア〜アフリカ〜南米、かなり広い地域で食べられているそうです。レシピなども色色出て来ました。

 と、初めは僕の個人的な妄想から始まった「闇の妹」ですが、昨年は「闇妹」が座ってる大きな切り株の写真にネット上で出会いその現場へ行くことになり、今年はこうして「闇の妹」関連の新事実に出くわしています。なんだかドライヴ感出て来てます。

 「闇の妹」は僕をどこへ連れてってくれるのでしょうか?

 まだまだ追求しつつ、描き進めます。

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