2003年6月12日、木曜、曇ったり、雨ぱらついたり。神戸は蒸し暑い一日でした。
さてと、僕の新しい作品集『DREAMDREAM』の作業がかなり大詰めになってきました。収録される絵が決まり、デザインもほぼ確定し、文章の原稿もあらかた入稿を終えました。
この本には僕の2000年後半以降の絵から選んだものと、この春にこの本のために描き降ろした最新の絵が入ります。それと、実際に僕が見た夢の記録が載ります。
僕の手元には、膨大な夢日記の原稿があります。そのほとんどは今から20年前〜10年前の期間に見た夢の記録です。
実を言うと、それらの夢は一度、本になりかかったことがありました。出版社が決まり、日記から原稿化され、デザインもされ、装丁家も決まり、前書きも後書きも書きました。表紙の絵まで仕上げ、なんと新聞広告まで出してもらいました。
なのに、出版されませんでした。その時にはもちろん、その後10年近くの間、その理由がわかりませんでした。
でも、今回『DREAMDREAM』を作りながら、だんだん僕にはどうしてあのとき夢の本が出せなかったのか、分ってきたのです。
それは、今回の本に収録されるような「絵」を僕が描けるようになるのを、宇宙は(と僕は大袈裟に言いますが)待っていてくれたに違いない、ということです。
僕にはかつてコンピューターで絵を作ることに熱中していた時期がありました。その頃は、コンピューターの力さえ借りれば、僕は僕の描きたい世界をかなり再現することが出来かかっていました。ところがコンピューターをもう使わない、自分の素手で絵を描こうと決意してからは、描ける絵と、描きたい絵(僕に降りてきてる絵)の間にギャップがありました。
それでも描いて描いて描いていくことに没頭しながらその時時の自分の絵に集中してきました。が、実現できる絵とは別に、僕が感じ取っている世界、僕の中で進んで行く世界はありつづけました。
それを絵では無理ならなんとかしたい、文章ででも。と思い、絵に行き詰ると何度も夢日記の出版にココロがさまよい、また近年では詩の朗読バンドなどの活動で、絵には描けないけれど噴出したい世界、を噴出しようとがんばってもみたのです。
それが…『DREAMDREAM』を見てみると、いつのまにか、「夢」が「絵」になってきていました。なので、この新しい本は、僕自身にとってとても感慨深い本となりそうです。
僕が最初に作ってもらった『かごめドリーム』も絵と夢の本でした。あれから10年、『DREAMDREAM』が出来上がったら、ぢっくり『かごめドリーム』と見比べてみたいと、僕自身は思っています。
今回の出版社=ブルース・インターアクションズのHPで『DREAMDREAM』についてのページを作ってくださってますので、興味を持ってくださった方はぜひ! ここから!
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