2002年5月10日、金曜、雨雨。神戸に戻っています。
7日、どしゃぶりの大雨の中、再度、地底へ降りてきました。今回は三宅純さんもいっしょに。コンクリートの壁にはえてる鉄のグリップをつたって垂直に降りなくちゃならない箇所もあったりでちょっとした冒険でした。
地底といっても、天井には隙間もあってそこから雨が落ちてくるのを地底に立って見上げているとぼうっとしてきました。漠々とした巨大な暗闇の中、懐中電灯のスポットライトに照らされて三宅純さんがトランペットをパパパッパパパと吹くと、その音が地底のプールにナミナミと溜まっていっていつまでもいつまでも響きつづけて行きました。それだけでも背筋に竜感が走りました。当日はどんなことになっちゃうんだろう?
翌日は天気予報を裏切って、天気がよくなった東京で美術展巡り。
まず松涛美術館で「雪村」展。これがすばらしい面白さ。前回の雪舟もよかったけれど、雪村はさらにとっぽい感じがあって、僕の描きたい世界にとっても繋がってる気がしました。
つづいて原宿のラフォーレ裏手、大田記念美術館で「河鍋尭斎」展。これも興味深く拝見。若冲以来、ここのところ日本の画家の大規模の回顧展がつづいて、ことごとく大ヒットで嬉しい限り。ちょうど今の時期に見られる幸運・グッドタイミングに感謝。
そのあと「闇妹」新作のために取材して夜半、神戸へ戻りました。アトリエに郵便物・宅急便物多数。仕事に関するおしらせ2件。
★町田康さんの「くっすん大黒」が文春文庫になりました。カバーは単行本時の絵を再度使って頂いています。デザイン違いで。裏面にあった「亀」も表に登場してて嬉しいのココロ。本体390円+税
★雑誌「ar」6月号(主婦と生活社)の星占い特集「運命をひらく星座2002年後半」のイラストレーションを担当しました。扉&見開き×12でたっぷり絵をご覧頂けます。興味ある方はぜひ。新しい感じの絵でチャレンジしてみました。特別定価480円。
ではまた。
寺門孝之
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