Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20020506

 
 2002年5月6日、月曜。ハレ。

 昨夜、神戸へ戻ってきました。ゴールデンウィーク、出雲へ初めていってきました。BBSえんがわの返信にも断片的に書きましたが、すごくココロ深くに沁みいる旅でした。

 初日は島根半島をうねうねと巡り、美保というところの誰もいない美しすぎる砂浜でベニガイを拾ったり、加賀の潜戸(くけど)という海の洞穴を小舟でくぐりました。加賀の潜戸(くけど)はなんとサルタヒコが生まれた場所だそうで、昨年10月の伊勢のサルタヒコ神社での祭りを訪ねた旅はこうしてまだつづいているのでした。

 二日目朝からはいよいよ出雲大社へ。あいにくの小雨で、屋外の舞台でお神楽が奉納されると、途端にとんでもない滝のような大雨になりました。お参りを済ませ逃げるように宿にもどりました。出雲では弁当忘れても傘忘れるなといわれるほど雨が多いそうです。大社の背後をとりかこむ山山からは、もくもくと白い雲が湧いていて、まったくもって「出雲」でした。

 夕方、雨が上がりかけたので再び大社へ詣でると、ちょうどヤマタノオロチのお神楽の奉納が始まりました。目が渦巻きで表現された魅力的な「竜」が登場しました。音楽も最高! 伊勢のサルタヒコ神社で見たお神楽以来、すっかりお神楽ファンになってしまいましたが、絶妙のタイミングでまた「竜」=オロチのお神楽を見ることができました。

 そして昨日は石見(いわみ)の銀山というところへ行って、かつての銀鉱の洞穴へ潜りました。細くて暗い地底の道を進むと、体からチカラが抜き取られるような気がしました。外へ出ると緑が滴るような大自然で、きれいな小川には宝石のようなサワガニや、オレンジ色の羽根で蝶の様に舞うカワトンボなどもいて、すっかりトリコになりました。

 そこへ向かう朝の道路は深く白い霧につつまれていて、その合間に、突然、野犬の群れが車道を横切ったり、巨大なトビがフロントガラスへ体当たり寸前まで近づいてくるりと飛び去ったり、映画「もののけ姫」の舞台のモデルになったといわれるだけあって、日本にいまだにこんなところが残っていたのかとびっくりするような神秘的で美しすぎる光景でした。ああ愉しかった!

 6月8日にむけて、「竜」の気配のする場所、「竜」の絵のある場所を訪ねる旅をつづけていこうと企てています。

 明日はその現場である「地底」へ2度目の訪問。さらに詳しい打ち合わせをしにいってきます。

 じゃあ、また。

 寺門孝之

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