２００１年９月１２日、水曜。

　あああ大変なことに…。絶句…。

　ＴＶを見つづけるのを止めて、アトリエに向かう道の上、朝の青空の透明が身に、ココロに染み入る。明るい青空に負けないくらいに白い三日月が異様に輝いていた。

　ＴＶで繰り返されるあの光景…湾岸戦争勃発の時のＴＶ画面、オウム事件の朝のＴＶ画面、そして目の当たりにした神戸の光景と同じく、見てしまったからにはもう後戻りできない。僕はそれを見ないですんでいた世界にはもういなくて、今、ここにいて、これからはそっちの世界で生きていく。さらにさらにろくでもない世界で。

　あれも、これも、何回も、何回も現れる。僕や、すべてひとりひとりが、本当に賢くなるまで。終わらない。『マグノリア』のみんなが歌ってた通りぢゃん。ときおり祈ったり、日々、絵を描いていたって、僕の賢くない部分が回り回って、何度も、何度も、「光景」が映し出される。

　どうしたらいいかなんか全然わかりません。賢くなりたいです。

　悲しい気持ちのまんま、また絵に戻ります。持ち場を離れず、持ちこたえて行けたらいいな。祈りと合掌。

　from 寺門孝之