2001年8月22日、水曜、晴れ。青い空と銀色の雲のジグザグが割れた硝子のよう。
昨日のてらこやの後、深夜までここ神戸・北野〜布引界隈ではかなりの大風。僕も油断すると飛ばされそうなので、自分は重い、自分は重いと言い聞かせ、鉛のような足取りで帰宅。
今朝、その道を逆にアトリエに向かうと、道に、千切れて飛び散ったタイサンボクの大枝の数々が無残な感じで取り散らかっていて、ワイルド、かつエロティック。
しばらくアトリエで作業などしてるうちに、そうだ、きっと「僕の聖地」も昨晩の大風で木々が倒れたり、千切れたりして、きっとワイルドでエロティックになってるはず、それを描かないでどうする、と思い立ち、大きなスケッチブックと荒荒しいタッチで描けそうなチョークとかコンテとかチャコールペンシル、フィキサチフ、簡易椅子、キンカンを荷造りし、いざその場所へ。
へへへ、思ったとおりのワイルドさ、エロティックさ、と道端に簡易椅子をひろげ座り、デッサンにつぐデッサン・・・となるはずだったんですけれど、薮蚊の大群に襲われ、デッサンをかいてるよりも、皮膚をかいてる時間が長く、持ってきたキンカンを全身に塗りたくっても、どんどん次から刺されるので、うぎゃああ、もうかい過ぎる、とたった1枚で降参して退散。次は虫除けスプレーを数本と蚊取り線香を缶々で焚くセットを持参して挑むべし。
しっかし、風景、デッサン久し振りだったけれど、むづかしい・・・修行につぐ修行・・・。
from 寺門孝之
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