Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20010527

 

 2001年5月27日、日曜、爽やかに晴れ。

 え〜、早いもので5月7日からずっとやってたamusでの“greeting books”原画展も、残すところあと3日、30日で終了します。

 一方、僕は今greeting bookの第5弾のクリスマス用の原画の執筆に追われる日々々。俄然、筆の方は快調です。

 ちょうど一年前からずっとつづいているこの一連の仕事は、当初僕自身が思ってたよりもはるかに、僕にとって大きな意味があったような気が最近になってしてきました。

 ここのところ、greeting bookのための絵を描きながら、僕のココロが馳せるのは、つながっていくのは、茂田井武、武井武雄、初山滋、といった日本で「童画」というジャンルを創生された画家達。

 前にも書きましたが、僕はそれまで「絵本」というのを描いた(書いた)事がなく、あくまでも目の前の一枚、一枚の絵に、不連続に集中してきたわけで、今回のように一冊の本のために、ページの進行・展開を考えて絵を作っていく、っていう作業は新鮮でした。

 たとえ自分で書いたテキストであっても、なんかテキストを書いた人かあるいは編集者に雇われたイラストレーターとして真価を問われているような気分もあって、あれやこれや苦心。作画中のメンタリティは、オーダーのない自発的に描く一枚一枚の絵の最中のそれとはかなり違うようなのです。その感じを自分で体験してようやく、茂田井・武井・初山画伯たちのこれまで漠然と「なにかいいな」と感じていた彼らの絵の良さ・凄さが、いまわかりかけてきたところです。

 まだうまく言えないけれど、ひとことで言うと「大人の絵」だってことでしょうか。子供に向けて描く絵だから子供っぽい絵、というのの全く逆で、子供にむけて大人として恥ずかしくない絵を、というような姿勢でしょうか?そんな自分を律した感じ、決して自分のために描いてるのではない、といった甘えの無さが、あの人達の絵の共通項なような気がしてきました。

 今回のgreeting bookのシリーズは決して子供に向けられたものではありませんが、各巻、用途が定まっていることもあって、その用途の範囲に収めつつ、かつ僕の絵の「光」を放ちたい、というその工夫をしなければならなかったのが、とってもベンキョになったみたい。

 で、もしかすると、3月以降の「新しい天使」たちも、そうした工夫の経験が滑走路となって出てきたのかもしれないな、なんて思っているのです。

 というわけで、まだ見てない方、あと3日です。GOGOGO! PLEASE!

 from terapika

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