う〜ん、泣ける。何がって? それはこんな話しさ。
僕は今、あるケーキ屋さんの新しいお店の看板のデザインを頼まれていて、昨日の夜、そのデザイン原稿を看板を印刷してくれる会社の人(男性)がアトリエまで取りにきてくれました。
打ち合わせはスムーズに終わり、後、彼が語るに。「小学校1年生になる娘が学校で使ってる国語の教科書の表紙の絵が大好きで、いつもそのまねをして絵を描いている。絵を描くことが大好きで、将来は絵本を描く人になろうと思っている。今日はその教科書を持ってきてサインをしてもらいたかったが、あいにく今日、国語の授業があったのでそれは果たせなかった」と。
それは僕が2年前にえっちらおっちら描いた大阪書籍の国語の教科書で、そういえば今年、採用になってるんだった。描く際には教科書ということでなにかと制約があり、「天使」も描けなかったしけっこう苦労したけれども、そうか、そうやって見てくれてる子供がいるんだなあ、ぢ〜〜〜ん。
と、感激した僕は絵葉書や本にサインをして彼に託したのですが、彼は今度は携帯で自宅に電話をし娘さんを呼び出し「お父さんな、いまどこにおると思う? 教科書の絵描きはった画家さんのとこやで」といって、で、僕はその子供と電話でしゃべりました。といっても僕が一方的にしゃべり、子供は「あん。」「あん。」というばかりでしたが、なんだかとっても嬉しかったのでした。
毎日、絵を描いていると調子がいいときもありますが、ときどき、こんな絵ぢゃどうもならん、あかん、無意味なり、と絶望的な気分に落ち込んでしまうこともあります。でも、知らない子供が、教科書の僕の描いた絵を見て、自分も絵を描く人になりたいと思うのなら、いいやいいや、描いた甲斐もあったあった、と、また描く気力も湧いてきます。
絵を見てくれる人が、ホントウに、ダイレクトに僕の絵を描くココロを支えてくれてる。感謝せずにはおれません。
ところで最近、朝走のことに触れてませんが、ご安心ください。走ってます。雨降ってても、なんか、朝だけ上がってるンだよな。さぼれない。
2001年3月4日、日曜、晴れ。雛祭りは終わったが。
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