Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20010123

 

 明けましておめでとうございます。2001年平成十三年、今年はヘビ年ですなあ。干支にちなんでまずはヘビ様のお写真からご覧下さいまし!ってな具合に、今年のtoday'Sをオープンしたかったのですが、年始、あちらことらに出向いたり、僕自身が真っ白、空白、ブランクになってしまていたりで、かないませんでした。1月ももう下旬になってようやく、僕自身がもとの場所にお帰りになってきたようなので、改めてご挨拶で、もういちどtoday's初めてみようという企図でございます。

 さて、このヘビ様は、実は昨秋、僕が家族&友人夫妻といっしょにバリ島ウブドゥへ旅行した際の1泊目、夜、物凄い豪雨と雷であわや大洪水かと思うくらいの大嵐であったのですが、翌朝、すっかり静かな快晴で、ほっと、枕もとの電気スタンドに目をやると、なんと、このヘビ様が。まるでコードのようにスタンドのボディに巻き付いておったのです。腰が抜けそうになったがな。

 でも、とても華奢で美しいヘビで、長さはそれでも1メートルくらいはあったげな。ホテルスタッフを呼ぶと屈強男子5名が手に手に武器をもってやってきて、曰く「ヘビは神ノ使いであるからにして、我々はヘビ殺すべきでない。」「もちろんです、おいだしてもらえばオッケーよ。」というわけで、男子5人がかりで細いヘビと格闘してもらって、追い出してもらったのですが、よほど居心地がヨカッタのか、何度も何度も戻ってくるのです。最後には袋に詰められてどっかへ運ばれていっちゃった。スタッフ曰く「こんなことは初めて。あなたは超ラッキー」。神ノ使いであるヘビが枕元に居るのは、大変に幸運、ということでした。翌年、つまり今年はヘビ年でもあるし、すっかり僕は未来の幸せを思い気をよくしたのでした。

 さて、年が明けてそのヘビ年になって、4日、妻の実家へ里帰りというわけで、伊丹から飛行機(ポケモンジェット)に載って、窓から見下ろすと、日本の国土のいたるところにうねうねと金色のヘビが這っておりました。美しい。

 その時の雲はとっても凄くて、まるで大きな大きな大蛇(おろち)のように、海の上に、うねうねと、雲の道を作っておりました。

 というわけで、今年、僕は断然「蛇」、来てます。実は以前から、蛇、キライぢゃなくって、まあ怖いんですけど、興味あって、蛇関係の本を集めたりもしてたんですが、今年は是非、そのあたりのことを、「絵」に纏め上げたく思っているのです。毎年、お正月には干支の絵を描こうって思うので、ちょっと今年は出遅れてますが、ヘビ様、よろしくお願いします。

 そういえば、BBSえんがわや、アクィーラの草迷宮第6話でも話題になってる昨夏の僕の大作「氷山」でも、ヘビ、は重要な役回りでした。実を言うと、その「氷山」制作中は、僕にとってヘビを邪悪なものとして感じられていて、そんな風な役のつもりで描いたのでしたが、その後、上に貼ったバリのヘビ様との出会いなどを経て、またヘビに対する感情が僕の中で大転換して、自分の描いた「氷山」の意味が再び回転してしまいました。まだご覧になってない方には通じない話ですみません。

 アクィーラ君と裸足のイサドラさんが「善悪」を巡って色々コトバをBBSえんがわで重ねていらっしゃるのを興味深く拝読していますが、「善悪」ってことを考えるとき、「ヘビ」ってモティフはとても有意義な気がします。善かと思えば悪、悪かと思えば善。

 ヘビというと思い出す小説は太宰の「斜陽」! ここで現れるヘビのシーンは素晴らしい! まさに「ヘビ」! 太宰って「ヘビ」っぽい〜。

 アクィーラ君のいうとおり善も悪もその関係性によってその時その時でくるくると巡ります。廻ります。その巡りを阻止しないで、僕は僕の「絵」を、そんなくるくる状態に作っていけたらなあって思います。まだ「氷山」で始まったばかりの僕の「ヘビ」的な世界、今年、ヘビ年、どんどんおしすすめられたらいいなあ、うねうねと。ヘビ年の友人も多数だし。周防さん、木村くん、小銀杏くんをはじめとして。

 ぢゃ、また。

 2001年1月23日、火曜、晴れ。あったかかったはずなんだけれど夕方からめちゃ寒。

 from terapika

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