2000年9月24日、日曜、晴れ。
けふも一日「絵」と向き合う。いま描いてる「絵」の中のパートで「ヤな感じ」を出したい部分があって、けふその感じを出してたら、僕自身の気分が「ヤな感じ」に感染。ま、しょうがないんですが。明日からはこの「ヤな感じ」と張り合う、「イイ感じ」の方へも一度引っ張りなおさなくちゃ。でも最終的に「ヤな感じ」の方が勝ったら、それはそれで僕としては進歩、なのかも。う〜む、どうなってくのか、どうするのか、どうしていくのか?
夜遅くテレヴィをつけたら唐突に(ていうか唐突にテレヴィをつけただけだが)「ベニスに死す」をやっていて、最後まで観てしまいました。ああ、この映画、何度みただろう?大学生時代、なにかっていうと、「ベニスに死す」と「時計仕掛けのオレンジ」のカプリングでオールナイトが催されてて、オールナイト好きの僕は何度も観に行ったわけ。で、あの流れがしっかり身体に染みついてるのか、今日、テレヴィで観てもパブロフの犬状態でとにかく最後まで座ってる。いやあ、眼がはなせなくなるんだなぁ、この映画。やっぱり完璧。凄いわ。ヴィスコンティ。ダーク・ボガード。この感じ、今の映画、出せないなぁ。ベルトリッチでも。
僕は学生時代、ダーク・ボガード好きでねぇ。けふ観てもたまらない。ビョルン・アンドレセン、当時は僕にはよくわからなかったけど、今観ると、やっぱりキレイ。そういうわけだったのね。今の若い方には想像できないかもしれないけれど、当時、オールナイトで「ベニスに死す」とかやると、上映中、カシャ、カシャってシャッター音がするわけ。アンドレセン目当ての女の子が写真を撮るんだけれど、みんなもう彼がいつ振り向くかとか完璧に知ってて、そのタイミングをはずさずに一斉にシャッター切られるわけ。これって面白い。当時、映画をビデオで観る事なんかできないわけだし、欲しい絵はそうやって自分で撮ったの。
僕も「気狂いピエロ」のアンナ・カリーナを撮ったことある。懐かしいな。アンドレセン君もこの映画の後そんなにせずに儚くおなりになったとかで、「ベニスに死す」のために生まれてきたような人生。ダーク・ボガードも今は無く、この感じ、今持ってるのはテレンス・スタンプだけかな。カウンターカルチャー入ってるけれど。でも大好き。「イギリスから来た男」早く観たい!
でわまた。
from terapika
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