Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20000821

 

 2000年8月21日、月曜、こちらは晴れ。

 昨晩は蟲に脅されることもなくぐっすりと眠り、今朝はすっかり寝坊。遅い朝食を終えて、午後、バスん乗って佐島マリーナというところへ行ってみました。これが思いのほか良い! ボン!

 セツの画学生の頃、毎年初夏になると、セツ先生お気に入りの千葉・大原という漁港町へ写生に出かける年中行事があったのですが、ここ佐島は大原に負けないくらい色の構図に恵まれてて、ああ、画材持ってくんだった!

 しかたないのでクロッキー少々アンド写真パチパチ。なんだか、南仏アンティーブのマリーナを思わせる景色。ド・スタールの線でいけばかなりの画面を構築できそう。間近に見る中年女性の肌のような静かな小皺が寄る円い湾に、立ち並ぶマスト、白〜水色まで様々なグラデーションのボート、遠くからは真珠みたいに見える浮き玉、ネイネイ鳴きながら群れ飛ぶウミネコ、カモメ、ぴゅ〜るる〜トンビ(でっかい)達。打ち上げられた箱ふぐだのなんだの魚達、魚の屍骸をくわえて帰る野良ネコ、今獲ってきた魚貝が並ぶ魚屋を目ざとく物色するその場に不釣合いな綺麗な背中を丸出しにした長身肌白い貴婦人、帽子の陰かんばせを隠して。網の中にうずくまる蛸。ガザミ。

 そしてなによりヒットだったのは、バス道にほとんど垂直に切り立った崖の上の神社、巾30cmしかないような、強烈に急なうねる石段を蜘蛛の巣を避けて平身低頭、延々のぼった先にあったその小さな社にお参りし、振り向けば、小さな鳥居越しに、ねぢくれておりかさなる木々の幹・枝の間・間に複雑な嵌め絵のように、さっきまで下でみていた海の景色が、ジグソーパズルのピースのように散らばっていたのでした。まばゆい光で出来た景色のカケラ達。くらくらとして社の前に座り込み、しばし時の無いところへ。聖地…。

 from terapika

 

「天使からのおくりもの」

凰宮天恵/著  寺門孝之/絵

大和書房 本体1100円+税

 

僕が看板・壁画など描いた店が
12月3日オープンしました。

Cafe Hahn Hof(カフェ ハーンホフ)

神戸市中央区明石町32
tel :078−321−0415
(元町・大丸の南、フェラガモとか入ってる明海ビルの地下1階)

 

Days of Angels
天使のカレンダー

絵*寺門孝之 / 文*三枝克之

リトル・モア  ¥1500+税

全国書店にて絶賛発売中!

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