2000年8月14日、月曜、薄く晴れて。
お盆DEATH。人々は皆帰省し、店舗は閉じ、街は森閑としているかというと、アトリエの近辺、新神戸〜北野〜三宮〜元町界隈は決してそうではなくて、平日にも関わらず今日もたくさんの人出。観光客もたくさんそぞろ歩いています。
それでも、音声だけはどうもお盆めいて。賑やかな人人の歓声も、今日の薄曇の低い空のどっかへ吸い込まれて、なんとも奇妙な静かさを感じているのは僕だけなのでしょうか? 耳の奥にプールの水が溜まっているようで、全てが遠く聞こえる。なのに、雑踏を歩く自分のスニーカーの足音がきゅんきゅんと響いているのも、お盆ぽいです。音抜きによって、音の遠近法がひずんでしまったのかな?
あ、いけない、今日が最終日!ってことで、元町・大丸の美術館へ、「大妖怪展」てやつを観に行ってきました。これまた凄い人出。満員のエレベーター内で偏屈そうなおじいさんがエレベーターガールに「お化けは何階や!」と吐き捨てるように問うてたのが面白く。
一斉に9階に吐き出されて、いざ、お化けへ。けふの僕の目当ては、高井鴻山描く妖怪絵。高井鴻山といえば、信州・小布施で北斎のパトロンだった人として有名ですが、実はたくさんの妖怪の絵を残しており、またその妖怪たちがなんとも独自でナイスなのでかねてより注目しておったのですが、何点か今回原画を観ることが出来、ますますファンになりました。
鴻山については、田中優子著「江戸百夢」に一章が割かれていますので、興味のある方はそちらをご参照ください。江戸末期、京都・江戸で最先端の人々と交じり、小布施という地方都市のリーダーでありながら、倒幕の革命家たちを支援したり、懐深い活動をした人らしいです。
他にも、たくさんお化けの絵や、人魚・龍・河童の剥製もマノアタリに出来、お盆らしい愉しい見世物でした。が、先述のおじいさんは出て来るやいなや「おもろいこともなんともない、けっ!」と吐き捨てるように独語してたのがいちばんおもしろかったDEATH。
さて、お盆のBGMといったら、やはりビーチボーイズ辺りいかがでしょうか。ただなんとなくですが。というわけで、けふのアトリエにはブライアン・ウィルソンの歌声が高らかに鳴り響いています。良い。盆! BON!
from terapika
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