2000年6月8日、木曜、晴れ、でも今は雨が。
昨日、タイサンボクのことを書きましたが、キョウチクトウも神戸というと思い出す花木です。濃いくすんだ緑の硬く細い葉と、明るいマゼンダの小花の派手やかなとり合わせがハイカラーです。ちょっと南仏を彷彿とさせる神戸の硬い光と空気に、タイサンボク同様、キョウチクトウも良く映えます。たまに純白の花のキョウチクトウも見かけてはっとしてしまいます。美しい。
南仏というと、やはりミモザやオリーブでしょうか。残念ながらどちらも神戸であまり見かけません。が、実は王子公園にミモザらしき大木があって、桜の満開の季節に黄色い光を放っています。
それからオリーブですが、実は神戸はオリーブ発祥の地(?)らしいのです。明治時代だったかちょっと忘れてしまいましたが、神戸の風土・気候がオリーブに合うと見込んだ方がいて、オリーブ栽培に着手したらしいのですが、残念ながら続かなかったとのことです。その場所がちょうど僕のアトリエのある場所のすぐ山側のあたり、以前、小磯良平画伯のアトリエがあった辺りとのことです。その後オリーブは瀬戸内海、小豆島の方で栽培に成功してそっちが本拠地になったということでした。
小磯良平画伯といえば、かつての神戸・山の手のイメージを代表する画家で、後年は東京芸大で後進の育成に励まれた方ですが、僕は小学生のころ兵庫近代美術館へ連れてってもらって、画伯の「コーラス」という絵を見て強烈な印象をココロに刻まれて以来、何回この絵の前に立ったことでしょう。同じ顔をした同じ黒と白の衣装の何人もの若い女性が楽譜を手に手にコーラスしている、まあ、何のヘンテツもない静かな絵なんですけれど、僕にはとっても懐かしいような、くすぐったいような、妙な気分にさせられる大好きな絵のひとつです。東京生活時代もたまに神戸に戻るとその足で美術館へ寄り、「コーラス」の女の子達に対面してから街へ繰り出していったものでした。僕の中でこの絵は僕の思うところの「神戸」の街のイメージと強く結び付いているのだと思います。タイサンボクやキョウチクトウと同じように。
その小磯良平画伯が第1回目のポスターの絵を担当されたという「神戸まつり」(当時は
「みなとまつり」といった)、30回目の今年のポスターの絵とデザインを担当させていただきました。神戸で絵を描いてる者として光栄に思います。近々その絵もここで見ていただけると思います。
ところで、神戸まつりといえば、サンバ、なわけで、老いも若きも女性は極めて露出度の高い、というか隠蔽度の小さな衣装を身に着け、サンバ特有の打楽器のリズムに合わせて胸や尻を激しく振り動かして踊るのですが、僕の知っている女の子達も今年は参加するらしくって、どんなかっこうで踊るのかちょっと心配です。
ぢゃまた。from
terapika
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