2000年4月23日、日曜、今日の北野界隈は一年でも最も気持ちの良い日のベスト3には入るくらいの好ましい空気感に包まれています。
さてお約束の「天使」のお話、第一弾です。
天使の最初の一枚
展覧会場で最も受ける質問は「いつから天使を描くようになったのですか?」「天使を描くようになったきっかけは?」。今日はそれにちゃんとお答えしようと思って、僕が現在描いてるようなカタチの天使を描いた、最初の一枚を捜し出してきました。それについては、実はよく憶えているのです。
僕は、当時も、今も、普段いつもクロッキー帖とか小さなノートブックとかを携帯していて、何か、思い付いたらメモを取ることを習慣にしています。メモは言葉のときもありますが、「絵」のことも多いのです。いわば「絵の素」を記録しておくわけです。
1993年6月8日の日付があるので、おそらくその日なのでしょう。僕は近所のどこかのカフェに長居しながら、どんどん下りてくる「絵の素」をメモしつづけていました。およそ10ページが1993年6月8日の日付のデッサンに割かれています。その最初の絵が下に貼った天使のデッサンでした。
「Angel」とわざわざ書いてるくらいですから、はじめから「天使」だと思って描き止めたのだと思います。どうですか?今描いてる天使とそっくりそのまんまでしょう。突然、そのカタチで天使の絵が描けることを思い付いたんだと思います。と、いうか、ふと描きとめて、「あ、天使!」ということで「Angel」とメモしたのかもしれません。そのあたりは忘れてしまいました。ただ、はっきり言えることは、天使のデッサンの周囲を四角く囲っていることからも明らかなように、あくまでも「絵」として思い付いたのだ、ということです。漠然と天使のイメージが浮かんで、それが絵に育ったのではなく、構図なども含めて、絵として成り立つ図像としてこの最初のデッサンは描かれています。
そうして、その日なのか、やや後日なのか記録がないのでわかりませんが、そのデッサンからほぼそのとおりのカタチで、アクリルによるペインティングを仕上げています。クロームイエローのバックの「光の天使」とタイトルを付けたこの絵が、ペインティングでの天使・第1号です。
以降、現在にいたるまで描きつづけている天使の絵の基本形はそっくりそのまま最初の一枚の時から完成していたことがわかります。1993年6月8日、その日、僕はこのカタチでの「天使絵」をキャッチしたのです。
つづきはまた後日・・・from
terapika
「天使からのおくりもの」
凰宮天恵/著 ★ 寺門孝之/絵
大和書房 本体1100円+税
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baby oil magic ”
場所 : 美術画廊ギャルリ・ムスタシュ(大阪・心斎橋)
日程 : 2000年4月7日〜2000年5月7日
(詳しくは、“てんらんかい”の“NEXT”でご覧下さい)
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