2000年4月20日、木曜、薄曇。午後から冷たい空気が流れ込んでひんやり。
さて、既にごぞんじの方もいっぱいだと思いますが、巷の本屋サンには、“えんがわ”でももうおなじみの凰宮天恵さんが書かれた「天使からのおくりもの/恋をかなえる50のメッセージ」が並んでいることと思います。これは昨年出た凰宮さんの「天使のヒーリングブック/夢をかなえる50のメッセージ」が大変好評だったのを受けて書かれた続編/第2弾です。前回に引き続き表紙の絵と、中の50のメッセージのひとつひとつに線画を描かせていただきました。もうご覧いただきましたでしょうか?
しかし、振り返って見ると、僕の絵の載っている本、最初の「かごめドリーム」はまあいいとしても、その後「ミラクル」「天使ブック」「エンジェル」「angels
rondo」「天使のヒーリングブック」「天使のカレンダー」そして「天使からのおくりもの」・・・もう天使、天使、天使!歌舞伎の絵を描いた「ミーハー歌舞伎」やお香のための詩画集「There」は例外として、どう考えても僕が天使専門画家と思われても、これは仕方あるまいな〜。
展覧会場でも、最もよく受ける質問は、「どうして天使を描くのですか?」「天使を描くようになったきっかけは?」「天使が見えるんですか?」「天使のメッセージを受けて描くのですか?」「天使ですか?」「天使ですか?」「天使なんですか?」・・・実を言うと、そう問われるたびに、僕はちょっと困ってしまうのです。
なぜかっていうと、本当に、確固とした答えが僕の中にないからです。例えば、僕も敬愛する横尾忠則さんなら、○○年ころから天使からの通信を受けるようになってねえ、とかはっきりお答えになるだろうけど、僕はほんとうに、ナ・ン・ト・ナ・ク・・・。
「あれはそう、忘れもしない1966年10月4日、ああ、今思えばまさに、テン・シの日だったんだねぇ、僕はふと空を見上げると、そこに、もう何百と言う天使・天使・天使・・・まばゆく光って・・・僕は余りの光景に気を失っちゃった。そして目覚めたとき、はっきりとこんな言葉を覚えていたんです。『おまえはいつかこの日のことを思い出すだろう、そうして、それを絵に描き始めるだろう』そして今、僕は天使を描いている」な〜んて答えることができたなら、それで安心してくれる方も多いかもしれないけれど(不安になる人も多いと思うんだけどね)、僕にはそんなコタエがない、からっきし。
で、いや「天使」も僕にとってたくさんあるモティフのひとつに過ぎません、とか、別に「天使」を意識したことはないんです、とか答えて、相手をちょっとがっかりさせてる。それでも、天使を描いても描いても、いまだ飽きることはないし、本も次々と天使からみで出つづける。
そろそろ、僕自身、天使と自分の関係について一度ヂックリ考えてみなきゃならない時期かな、なんて思うこともあります。それと、いわゆる「精神世界」などと呼ばれている世界について僕自身はどんな風に考えているのか、昨今ブームの「ヒーリング」だとか「癒し」だとかいう口当たりのいい言葉についてどう思ってるのか、そんなことをそろそろはっきりさせた方がいいんぢゃあないのか、そんなことを思ったりもしています。
で、今現在、この時点では明確な答えがないので、明日から不連続連載ということで、僕と天使、僕と精神世界、僕と癒し、そしてそれが「絵」とどのように関わり絡んでいるのか、について、思いつくままに、手当たり次第に告白していこうと思います。まあ、関心のある方はお楽しみに!でも、ホント、な〜んで天使なのかしら・・・???
ぢゃ、また明日。from
terapika
「天使からのおくりもの」
凰宮天恵/著 ★ 寺門孝之/絵
大和書房 本体1100円+税
“
baby oil magic ”
場所 : 美術画廊ギャルリ・ムスタシュ(大阪・心斎橋)
日程 : 2000年4月7日〜2000年5月7日
(詳しくは、“てんらんかい”の“NEXT”でご覧下さい)
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