Back Number 19991225
12月25日、土曜、穏やかなクリスマスです。 ちょっと書き忘れてたのですが、一昨日、映画「ファイトクラブ」を観て来ました。余りのカッコ良さに、愕然としてしまいました。何回も通うことになるかもしれません。十代の頃、スタンリー・キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」を何回も、何回も観ていましたが、久し振りに、今、この現在の僕のハートエッヂにぴったりの映画に出遭えて、幸せです。 僕が日々「絵を描く」ことはこの映画の中の「ファイト」とさほど違わないのです。表面のイメージやモティフがいくら違っててもね。(ああ、なんか2000年が心地よい足音を響かせてやってくる気配。僕の魂の奥の院が、すごく歓んでいるのがわかる。ドラゴンの背に乗って、2000年も過激に創造性の火柱をオッタテタイ!) 昨日は大島渚監督の「御法度」を観ました。よく出来た映画です。よくできた「庭」のような、ね。一見、「御法度」と「ファイトクラブ」って全く接点がないように思えるかもしれませんが、僕には日を連ねて観たせいもあってか、同軸上の世界の二つの様相、に見えました。単純に言うと「男の世界の台頭」ということでしょうか?世界にとって「男」とは?「男の世界」とは?「男性ネルギー」とは?つまりある種、非常に不毛な時代がまたやってくる予感・恐れ、そしてマグマの爆発、血に飢え、地が騒ぐ、騒乱前夜・・・時代が怒涛のように崩れ、突き進む、実感。そんな時代の只中の個・男性原理、みたいなところからどちらの映画のエネルギーも注がれてるように思いました。そしてそれぞれに決してインターナショナルな表現ではなく、極めてアメリカの、日本の、ローカリティの美意識で描かれてるところが強力だと思いました。とにかく面白かったです。 また、先に観た塚本監督の「双生児」との関連でいくと、中心が2つある楕円世界から大きな円の世界への移行の希求と、それによる破滅と絶望、と希望。ってことでしょうか?やはりこれから先しばらくは、強烈な絶望と希望、背中合わせで進んで行くんだろうな、と思っています。 おや、今、北野坂を聖歌隊が下っていくのでしょうか、澄んだ声の束が通り過ぎていきます。聖歌は、寒い夜に本当に似合いますね。今夕もアトリエ周辺が歌声とともに、宇宙の感じをたたえはじめています。 |
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僕が看板・壁画など描いた店が Cafe Hahn Hof 神戸市中央区明石町32 |
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