Back Number 19991216
12月16日、木曜、晴れ。おはようございます。 昨日、夜遅く神戸に帰ってきました。14日のセツの合評会、楽しかったです。でも、一度にいろんなタイプの絵をたくさん見てしゃべるのって疲れますね。昼・夜2回やったらへとへとでした。セツ先生のいないセツは、やはり決定的な違和感がありましたが、セツ先生の光がこれからも絵や美を志す人達に伝わりつづけていって欲しいと、セツに希います。(セツだけにね、ぷっ) 昨日は朝、早起きして、まず上野の国立博物館に皇室が所蔵してる美術品の展覧会を見に行きました。目的は、伊藤若冲の動植綵絵。ついに若冲の「群鶏図」、現物をこの目で見てしまいました。実はこの絵、僕の好きな絵ベスト1といえるくらい好きなんですが、宮内庁が持ってるためめったに見られないんです。数年前、公開されたとき、見逃したので、もう当分ダメかとあきらめてたんですが、思いがけず早く実現して、ご機嫌です。12枚ある動植綵絵のどれも凄い絵ですが、やはり「群鶏図」は特別に凄いですね。何十羽もの鶏をアトリエに放し飼いにして研究を重ねただけのことはある、リアルかつシュルレアルなニワトリたち。ただ、図版からの印象でもっと大きい絵だと勘違いしてたので(襖くらいかと思ってた)、意外と小さいなと感じました。このサイズなら制作が想像できるなと、少し安心もしました。ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」も大きな絵だと思いこんでいて、実物が思いのほか小さかったので、ちょっと安心した記憶があります。あ、安心、てのは画家としての手前勝手な感想で、ああこのくらいなら人間業の範囲だな、っていう安心です。あんまりスーパーだと、絵を描く気力が失せてしまいますからね。 で、おおいに安心して、今度は南青山のリトル・モアのオープンしたギャラリーへ、浅野忠信さんの展示を見に、銀座線に乗って。師走の忙しい時期だからと滅多に使わない気を遣って誰にも連絡しないでいったんですが、到着と同時に竹井さん(リトル・モア社長)が登場して、「おお!見てって見てって」すんごいラフなギャラリーでいい感じ。こういうラフさって、ニューヨークとかではあたりまえなんだけど、日本になかったよね、そやねんそやねん、ラフにいきたいねん、そのほがええみたいや、ここはな、すっごい入ってんねん、もう2500や、初日なんか800やでっ、とやることやること必殺ヒットのリトル・モア、元気です。そういや、セツの講義の後で、セツ生に求められてメモ帳みたいのに、サインしたけど、なんか透けてるので訊くと、浅野忠信手彫りのイモ版だって。セツ生にも浸透、リトル・モアギャラリー。で、寿司ランチをごちそうになりながらしばし歓談。竹井さんの姿を拝みたい方は、今出てる「イラストレーション」誌にインタビュー&お写真出ています。(裏表紙は僕のリキテックスの絵やで) で、次は大崎・O美術館へタイガー立石展を目指して、銀座線とJRを乗り継いで。またまた入場するなり、旧知の学芸員・天野一夫さんがそこにいて出迎えてくれ、なんか今日は調子イイナ、とナカへ。タイガーさんの作品は以前、博多で見たことがあって、ぎゃふんといわされてます。もうすんごい人、こういう人が現在形で作品を作ってるのに、こんなに無名なんて、日本はゼンゼンダメ、って絶望してたらなんと早くも、亡くなってしまわれ、そしてやっと評価が始まった、ってところでしょうか? 複雑な気持ちになりますが、とまれ、これだけの作品を目の前にすることができ、幸福でした。厳粛なオーラを感じつつ、各作品を見て、くすくすくすくす笑わされつづけるという、特異な作品群。遺作なんて大笑い! ま、これはみなきゃわからないので、機会をつくってぜひ見に行ってください。必見! で、恵比寿へ戻って、詩と音楽をやってるプラピカことプライベート・ピカデリーのお二人と待ち合わせて、近くのカフェでしばし歓談。いつか一緒になにかやれたらね、なんて語り合いました。 で、新幹線で神戸へ戻った次第であります。 おお、deepsea君がんばってますねえ。たくさんフタ、開いてるぢゃないですか。 では、また明日。from terapika |
||
「開運・銀座だるま祭」’99年末チャリティー企画 11月30日〜12月24日 クリエイションギャラリーG8 http://www.acara.com/GG/1999/g8-9912.html ( click !) |
||
僕が看板・壁画など描いた店が Cafe Hahn Hof 神戸市中央区明石町32 |
||
Days of Angels 絵*寺門孝之 / 文*三枝克之 リトル・モア ¥1500+税 全国書店にて10月上旬発売 |
||