絵とモデルについてよく受ける質問で「天使の絵はモデルがいるのか?」というのがあるのですが、今日は僕の絵とモデルについて少し書いてみます。
「天使」や「人魚」などの絵は全くの想像画で、モデルはありません。というか、天使や人魚、見たことないもんね。ただ、たとえば、街ですれ違いさまに強烈な印象を放った人の記憶とか、その時々になんか心惹かれている実在の人のイメージとかが「天使」や「人魚」に宿ってることはあると思います。
それらのイメージ画とは別に、2〜3年前から、絵にモデルをお願いすることも始めました。目の前にモデルがいて、絵を描くのは、イメージで描くのとは全然ちがう作業ですね。緊張もするし、絵にモデルからダイレクトにエネルギーが流れ込んでくる感じがして、スリリング。制作時間も限定されて、たいていは短時間集中となるので、描き終えるとぐったり、呆然としてしまいます。
どういう人をモデルにお願いするかというと、別になにか決まりがあるわけではないんですが、出会いがしらに、にピン!、と直感で「絵」がひらめくことがあって、そうなると強引にお願いしてしまいます。そして、いままでのところ、この僕の直観の鋭さは、作品として実証されてますね、なーんて。
これまでは、今いったように、イメージで描く絵とモデルを使った絵と、僕の中ではっきり分かれてたんですが、今、僕ん中での新しい動きとして、この二つをごちゃ混ぜにしたろ、と思ってます。イメージ、記憶、目の前のモデルを混ぜ合わせて、新しい感じの絵が描けないかな、いや、描けるな、って思ってるところ。お楽しみに。
10月21日、木曜、秋晴れ。明日から3日間、3:00〜6:00、ギャルリ・ムスタシュに居ます。早いな、もうこれで”Now and Then”展も終了になります、どうぞまだの方、お見逃し無く!
from 寺門孝之
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