今日は、BASARAKAWARA、について少しふれておこうかと思います。
僕は、絵を描くとき、たいていは床にアグラをかいて座って描くのですが、その際、けっこう問題なのが、着る物のことです。洋服のズボンだと、ベルトやボタンが腹部を圧迫してすごく苦しいし、ジーンズのような生地だと、膝のとこなんかがつっぱって、足が痺れてしまうのです。かといって、ジャージとかパジャマとかぢゃ、なーんか気合いはいんないし、ずっと困ってたんです。上半身についても、夏はT−shartが好きなんですが、いつ何時、デッサンしたくなるかわかんないので、胸にボールポイントペンを差し込んでおくポケットが欲しい。なかなかポケット付きのT−shartがなくて困ってました。
で、第1期てらこや会員であり、PIG’s HEADのメンバーでもある、で、本職は服を作る人であるところの松本小銀杏然(読み方は、コイチョウシカリ、らしいです、かなり叱ったんですけど、どうしてもこの名がいいというもので)に相談してみましたら、たちまち、僕のニーズにぴったりのT−shartやズボンを作ってくれました。
そこで僕もいつもの欲が出ました。
僕はかねてから、日本人なのになんで洋服着て暮らさなあかんのん、和服とか、せめてアジアンの服とか着てたらええんちゃうのん、と思っていたのですが、いかんせん、和服を着てしまうと今の生活はやりにくいし、アジアンの色々の服、好きだけどちょっと「イロ」が強く出過ぎて、いつもそれっていうのも気がなじまなくなる時もある。で、小銀杏然君に提案してみた。
「日常の生活に支障をきたさないで、かつ根本的に和の精神が貫かれていて、かつお洒落で、絵をはじめとする作業がしやすくて、かつそれを着たまま広範囲な状況の場所へ出かけてゆける、そんな新しい日本服を作ってくれ」。
それに見事に応えて開発されたのがBASARAKAWARAの服である。たとえば、「手巾(ハンケチ)」というアイテムがある。これは、絶妙な色合わせの綿の細長い布切れで、主に首まわりに巻いて使う。アクセサリーであると同時に、汗を吸ってくれる手ぬぐいでもあり、着ける人の工夫次第で、なんとでも使える。まあ、夏のおっちゃんのタオルやね。これが、ことのほか便利で、いまや片時も離せない。
ほかにもまだアイテムは少ないけれど、どれも見た目にはそれほど目立って洋服からかけ離れているわけでないのだけれど、着てみてはじめてわかるような「新しい日本感」のある服達ばかりだ。着けることによって、新しい「所作」や「風情」が生まれてくる、画期的な服。「骨」がちがうんやねぇ、洋服と。
で、“夏休みサロン”前期でじわじわと火がついてきて、かなりバサラー、カワラーも増えてきて、品薄になってしまった。サロンでは、小銀杏然君がミシンを持ち込んでこの品薄状況と日夜戦っておる。お客さんが、縫いあがるのを待って買っていく、という素晴らしいありさまである。
ひとつ、これをお読みになった皆さんも、一度BASARAKAWARAの服をお試しになってはいかがだろう。
8月12日、木曜、晴れ、ようこそ、“てらぴかのえんがわ”へ、from 寺門孝之
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