Back Number 19990713

 

 今日は朝からダイレクトメールの宛名シールをはり、そして切手をはっておった。いまもはっておる。まだまだおわらない。なぜなら、はんぱな数ではないのである。今回は約5400人分のハガキを発送する予定でおる。展覧会を開くときは、たいてい少なくとも3000、多いと今回くらいのDMを出す。今年から宛名はコンピューターに打ち込んでシールに印刷してもらっているが、去年までは全部手書きじゃった。それも、業者に発注するとかそんなせこい方策はとらず、すべてわしの直筆ぢゃ。さすがにしんどすぎたので、さっきも書いたとおり、今年からは電脳に頼っておるが、いかがなものかのう、せんだってのようなことがあると、5000件のデータがパアぢゃ。虚空間にぱあっと消えよる。手書きの5000枚のハガキに間違ってうっかり火をつけてしまうことはまずないしのう。ま、ソンなわけで今日も宛名関係の作業に従事しておるわけだが、今回は妻は学業が忙しく、子はまだこの作業がこなせる年齢に達していない。いつも助けてもらってる若い衆たちにはそれぞれ他に重要な任務についてもらっておるので、わしひとりの手作業ぢゃ。

 いや、なにも愚痴をいうておるのではない、ここからが肝心なのぢゃが、この永遠につづくかとも思われる宛名はり&切手はりの作業こそが、わしの展覧会の、そして絵のエネルギー源なのぢゃといったら、皆さんはえっと驚きますか?

 しかしホントなのぢゃ。現に今、こうして文章をかきながらハイになって、人格が変容しておるぢゃろう、宛名はり&切手はりをしておると、宛名のひとりひとりそれぞれが、遠くで首を長くしてわしの絵を待ってくれておるような気がしてきてな、わしの絵画中枢がぢぢぢぢぢぢぢぢ・・・と熱く静かに燃えてくるようぢゃ。そして、太い絵がずんずんと湧いてくるのぢゃ、どや、すごいやろ。

 と、いうわけで、また、切手はりにもどります。ようこそ“てらぴかのえんがわ”へ、板さんは今自分で絵描いてラリッてるので、きょうもまだ2ページしかありませんが、今週末くらい、またちょっとメニュ増えるかもしれません、おたのしみに。

 5日目、1999・7・13、from 寺門孝之