makizoo(てらこあ)さんははるばる伊勢から、龍誕祭の地底までやってきてくれました。
昨年(2001年)10月、彼女に誘われて伊勢・猿田彦神社での“お開きまつり”、というお祭りへいかせていただきました。その宵に立った野焼きの火柱は僕の絵を描く魂をわらわら揺さぶってくれ、その後の僕の絵の道行きに深く影を刻み込んでくれました。思えば、あれも「龍」へと続くてらどら道の道標だったかもしれません。
以下は、makizoo(てらこあ)さんが書いて送ってくれた、龍誕祭レポート、です。
龍誕祭れぽ
初夏、ショカ。気持ちのいい日。待ち焦がれてた龍日和。我々てらこあ二人(あ、もうひとりはノリコロです)の興奮をまーま、といなすよに各駅停車の電車の窓に広がる田んぼのキミドリ。うう。きもちいい。
私は未知の場所へ行く時に必ず想像をフル回転させてその場所の感じ、匂い、気温、そこにいる人々、のことをかなり細かく思い描くのですけど、そんなものは地底に降り立った瞬間に頭上の光のほうに飛んでいってしまいました。
ドラゴンの舞い降りる場所、そこには巨大な闇がそびえたっていたから。
冷気に覆われたその空間は、あまりにも深くて、巨大で、人に見せるためではない建造物のはずなのに、古代のモニュメントのように美しく、ここに水が満ちたら、と考えるだけで、なんだか恐くて、そして地底にこんなものを創ってしまう人間の力を思って、ひそやかな興奮がずっと去りませんでした。とはいえ、実際には「でけー! かっこえー!!」としか言ってないのですけど。
ヒカリとヤミ、てらぴかさんが最近「闇」のほうに惹かれている、というお話をして下さったことがあったんだけれど、なんだかいろんなものがひそやかに、てらぴかさんを龍と地底にひきあわせたみたい。と不思議な気持ちでいました。
闇の中でのヒカリ。おひらき祭での森の中の炎。闇の妹という発光体。激しかったり、ひそやかだったり。地底のさらにその底を、パーカッションのリズムが這って、てらぴかさんがモップをもって舞う度に色彩が闇のなかで光となって、三宅さんのペットがそこにやわらかくからみ、突き破る。オレンジの光にみんながとけていくみたいでした。
そして、みんなの楽しそうな顔ときたら! 古代からずっとこんなふうに、それこそしっぽの名残りがあるころから、人はこんなふうに何かに祈ってきたんだろうな。踊り、絵を描き、声を出し、リズムを刻んで、音を奏で。おひらき祭のときも、そんなことを漠然と思っていたのだけど、ここにもあった。また見れた。と、嬉しくてたまらなかったのです。
山口トモさんが、途中で「んあ''っ!!」って叫んだのもおおいにうなづける! わかります、トモさん。魂の叫び! 最高! てらぴかさんが一番驚いてらしたので大笑いしてしまいました。
てらぴかさんのドラゴン、地底には飾られないそうで、すこし残念です。でもあの時地底にいたみんなのヨロコビの気持ちに誘われて、何匹かドラゴン(小さめ)が遊びにきてたような気がします。
帰り道、冷えた体に西日があたってたいそう気持ちよかったのですが、光のなかでは闇がひきたち、すぐにもたたた、とまた地底へおりたくもありました。
今さらではありますが、みなさんおつかれさまでした。あの地底で、あんな楽しい時間を共有させてもらえてほんとに嬉しく思ってます。謝謝!!
龍誕済。でも、つづく。
makizoo
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