…  D R E A M   C A T C H E R  …
 
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y o u r d r e a m s
 

『宝』

BY

マミ毛さん


 
 マミは他のメンバー達と舟に乗って、自分達の「宝」を取り戻すために旅をしている。舟はとてもシンプルで、荒波で簡単に転覆しそうな小さなもの。頭に、3・4個の輪を作るように髪を結った、まるで乙姫のようなスラリとした女性はこのメンバーのボスで、さらにマミと3・4人の人間と人っ子1人簡単に飲み込めるほどの巨大なカエルが、2匹のっていた。

 女ボスが、最初の「宝」はこの真下にあると言い、マミと1匹のカエルが海に飛び込んだ。

 日が届かなくなるぐらい下の方に潜っていくと、家1件ぐらいの大きさの化学式の模型のようなものがでてきた。その模型は、いろんなレインボーカラーのバーとバーがルービックキューブみたいなものでつなぎ合わされていて、暗い海のダークブルーをバックにぼんやり発色していてとてもきれいだった。もし、夜に虹が出たらこんな感じだろうなと思った。

 どこからか、この海の主の声がしもし、その化学式の模型のようなものが解けたらその向こうにある「宝」をもって行ってもよいということだった。

 マミはさっそく1個のルービックキューブに取り掛かった。けど、実際そのルービックキューブは立方体ではなく多面体で、1個1個のマスも三角形でかなり複雑だった。

 その時、突然カエルが「宝」の方に向かって泳ぎ、口の中に「宝」を含んで舟に向かいだした。マミも慌ててカエルを追いかけて舟に向かって泳いだ。そのカエルは、もう1匹のカエルとその「宝」を独り占め(2人占め?)しようと、とっさにたくらんだらしい。

 水面から顔を出したそのカエルは口を開け、もう1匹の他のカエルに「宝」を渡し自分もはいあがろうとしたその時、怒った海の主は海底から黄緑に光るビームで、そのカエルを殺してしまった。

 舟の上のもう1匹のカエルは悲しそうだったけど、このままみんなで旅をするといった。

 「宝」を手に入れた一向は陸に着いた。あ! ここ知ってる! 神戸や!、と思った。そこは元町商店街にとても似ていて両サイドに店店が並ぶアーケード通りだった。

 女ボスを先頭に、もう1つの「宝」に向かってぞろぞろと歩きある店の前で止まった。骨董品屋らしいその店は閉店時間らしく、ぺったりとした七三わけ黒ぶちメガネ白いシャツに黒いズボン丁寧に赤い蝶ネクタイという格好の双子のような男性2人が、全く同じ動きで両サイドのシャッターを閉めようとしているところだった。

 女ボスはそんなことは全く気にせずそのシャッターの間にあるドアを開けて、中へずんずん入っていった。中は蛍光灯がまぶしいぐらいに明るく、ささっとその店の店主が奥から「何かおさがしで?」とでてきた。その女店主は60歳過ぎるかぐらいの黒髪おかっぱの双子で、1着のセーターとスカートを2人で一緒に着ていた。

 マミ達の女ボスは私達が持つべき「宝」を取り戻しに来たと言い、ある棚の何かを指差した。その何かはまぶしくて、マミははっきり何か見えなかった。双子の女店主は知っていたのか待っていたのか、あっさりと女ボスにその「宝」を渡した。

 これで、マミ達の「宝」を取り戻す目的は果たされた。女ボスはマミ達に、もう2度と私達はこの地に戻らないからちょっと観光してもいいよ、といった。

 マミはお気に入りの茶屋がこの辺りにあるのを思い出して、「いっとかな!」と思っていってみると、案の定長蛇の列ができていて、それでも列に並ぶと中から出てきた店員が待っている間にとメニューをくれた。ここでお茶をするのは最後のチャンスか…。吟味吟味吟味……。

 おわり。

(2004年7月)