私の乗った飛行機は離陸するなり変でした。上昇中なのに高度があがっていきません。低空飛行を続け、ビルの谷間の二車線道路に着陸しようとしているようです。
まもなく、両翼をビルにぶつけて火を噴きながら、着陸。「これは今までに何度も何度も見たことのある夢。あー、とうとう現実になってしまったんだ。正夢だったんだ。」
ここはどこなんだろう? 中東のどこかの国? 私は迎えに来たバスに乗り込みホテルへ向かいます。
真っ白なホテルに着くと、私はなぜか女優の小雪さんと友達らしく同室で、私たちは買い物に行きたい。この国の人に大変な迷惑をかけた飛行機の乗客がそんな不謹慎な、と思いつつどうしても民族衣装のお店に行きたい。
小雪さんはもう素敵なインド風のスパンコールのついた美しいブルーの衣装にきがえています。私たちは目的の店へと歩き出しました。広いアスファルトの道路の両側は砂漠のようで、小さな露天がところどころに並んでいます。埃っぽい。
ようやく店に着き、アラブ風のヒラヒラ透けた鮮やかな青いドレスを買って着替えました。そのとき、出発の集合時間があったこと思い出しました。「あ〜!間に合わない!」
あわてて店を出ると、小さな男の子の三輪車タクシーがすごいスピードでミズスマシのようにくるくる回りながらお客を待っています。ドレスのすそを気にしながら三輪車の後ろにまたがり、ちいさな男の子の背中につかまって、「ホテルまで・・・。」 すごいスピードです。
だいぶ走ったころ、いきなり私の三輪車が止まりました。男の子がのどが渇いたと泣いています。そばには露天のジュース売りが。「早く!何でもいいから飲んでちょうだい。」でも、言葉が分からない。
財布を出したら、見慣れないお金がはいっていて、どれを出せばいいのか分からない。こんなところで大金をとられるのはいやだ。
小雪さんを乗せた三輪車は、はるか前方をすごいスピードで走っていきます。
(2003年8月29日)
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