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y o u r d r e a m s
 

『便所の神様とサーカス』

BY

まろさん


 
 私は普段は決して畳で寝ないのに、畳で一人寝ていた。豆電球がついていてなかなか寝れず、布団を頭まですっぽりと被っていた。

 いつのまにか、頭から少し離れた所にゲゲゲの鬼太郎の子泣きじじいみたいな小さなおじいさんが立っていた。耳までありそうな大きな口で、にぃっと笑ってじっとしている。

 私は怖くて布団の中から出れないけど、その人がどんな姿なのかが勝手に頭の中に流れてくる。カチンコチンになっている私をおじいさんはスルリと抜き出し、いつもは押入れになっている所へと引っ張っていく。

 押入れはいつもの戸ではなく、木でできた戸に変わっていた。押入れはもう開けられていて、真っ暗な暗闇が広がっている。あっという間に吸い込まれ、出た所がお祭りをしている所だった。おじいさんはもう消えていたので、しょうがなく一人で見て回ることにした。

 ピエロ達がアイスクリームやシャーベットを作り、目の前のレールに乗せていく。レールは大きなカーブを描いてあっちこっちに広がっている。上にはピエロの作ったシャーベットが所狭しと並んでいる。色はみんなパステルカラーで、寒色系ばかり。ピンクはあったけど。普通に盛られたのもあれば、ウサギの形やもっと複雑な形のもあった。

 一つ取ろうとしたら、ピエロに取るなと怒られた。食べてもないのに、味がリアルに伝わってくる。スーっとして、けど甘い。甘いといっても果実の甘さではなく、花の甘ったるい香りのような甘さ。すごく食べたいのに怒られて、ショックだった。

 よく見たら、私以外に人はいない。音も聞こえない。空も、水色じゃなくて真っ白。その空を水色や薄紫などの風船が静かに飛んでいく。アラビアのお城にありそうな、先端が捩れた尖塔のようなものがついたお城があった。壁が真っ白いお城で、それ以外は青緑や水色で塗られていた。尖塔の屋根は交互に色が塗られていた。ピエロも肌が真っ白でその他の部分は水色や薄紫、ピンクだった。あの独特の笑顔を顔に貼り付けたまま、ひたすらシャーベットを作っている。

 「ここ好きだなぁ。ずっといたいなぁ。」と思った瞬間、再び暗闇が出てきて吸い込まれた。気付いたら布団の上に座っていた。目の前にはおじいさんが残していったらしい本が置いてあった。昔の紐でしばって綴じてある形ので、黄ばんでいた。

 開くと、おじいさんについて書かれていた。なんと便所の神様だった。神様は木の引き戸のついた和式便所にしか住めず、困り果てているらしい。「そういえば、うちのおばあちゃん家がそれだったなぁ・・・。けどこの前改装しちゃったし・・・。」と少し可哀想に思ったら、夢が終わった。

 たしか2000年の冬に見たきがします。

(2000年、冬)