< 一服一縁 >
2000年10月5日

いつも<茶室 三枝庵>にお立ち寄りいただきありがとうございます。
これまでは<茶話>というタイトルでコラムのような文章を書いてきましたが、
今日からは、それとは別にもう少し日記的な短い文章を
書いてみたいと思ってます。
題して<一服一縁>。
とてもてらぴかさんのように毎日書くことはできないですが、
少しは更新のペースをあげれればと、一応、心の奥では思っている次第です。
内容的には、<茶話>もたいがいそうですが、
それに輪を掛けて、
「それがいったいどないしてん!」とつっこまれそうな、
いたって私的なつぶやきになることと思います。
またインフォメーション的なこともその場を借りて
お伝えしていこうと考えています。
どうか寛大なお心でお読みいただければ幸いです。

ところでタイトルの<一服一縁>ですが、これは、
江戸時代、黄檗宗の僧侶で奇人のウワサもあった
売茶翁(ばいさおう)という人物が、京都で、
托鉢をする代わりに、煎茶の辻売りをはじめた時の
コピー「一服一銭」にちなんでいます。
お茶一杯の値段が一銭です、というわけです。
さしずめ今なら「一服一円」といった感じでしょうか。
で、<えんがわ>なので<一服一縁>としてみました。
売茶翁は茶を入れて客に飲ませている間にいろいろヨタ話をしたそうですが、
それが評判になり、彼のまわりにはいろんな風流人が訪ねてきたそうです。
池大雅や与謝蕪村、また、てらぴかさんの好きな画家・伊藤若冲も
彼の煎茶を飲みに来て親交が深かった人物の一人です。
(売茶翁の肖像画は若冲が描いてます。)
僕はこの翁のことを日本の大衆的カフェカルチャーのパイオニアとして
リスペクトしてます。
ま、もちろん僕に売茶翁のマネはできませんが、
少しでもあやかれればと思い、敬意を表する意味で
タイトルに拝借したというわけです。

そんなわけで、とりあえず第1回。

<一服一縁 2000年10月5日>

先日の<茶話>のマクラと話はつながりますが、
オリンピックでメダル取った人、
あるいは残念ながら取れなかった人へのインタビューって、
結構いろいろ教わることが多いです。
僕が今回のオリンピックで一番唸ったのは、
テコンドーで銅メダルを取った岡本依子さんの言葉。
「アカンかもしれないと思うことには、何の意味もない」
確かにその通り!

今日はじめて金木犀の甘い匂いを嗅ぎました。
僕は庭木の中ではこの花が一番好きです。
ここしばらくは散歩が一段と楽しい日々になりそうです。

ではではまた、
茶を!

三枝克之

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